高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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「このお母さんは、だらだらした過ごし方を見るのが嫌なのかもしれませんが、相手は、だらだらしているつもりはないのだと思います。こんなときは、相手の行動の何を困っているのかを見極めて、自分への具体的な影響を話すのがおすすめです」(瀬川先生)〈おすすめの会話例〉親「この時間まで食事していると、後片付けできないし、私の寝る時間も遅くなるから困るんだよね」 「ファッションや化粧は、好みの問題。親はみっともない格好と思っていても、子どもにとっては、最新ファッションなのです。むりやり変えさせようとすると、関係を悪くするだけ。自分は何が心配なのかを伝えましょう」(瀬川先生)〈おすすめの会話例〉親「露出が多すぎるから、痴漢にあっちゃうんじゃないかとか考えてしまって、心配だわ」★子「わかったよ」(と行動するかも?)★ 「親が自分のために気を回して動いてくれているのだということに子どもは意外に気付いていません。それに気付くと、行動してくれるかもしれません。そうなれば、親のもやもやは解決しますね」(同)――「うるせーんだよ」という、乱暴な言葉も気になります。 「『そんなふうに言われるなんてすごくショック』と、そのままの感情を表現したほうがストレートに伝わります。親もそんな気持ちになるのだと、ハッとするのでは?」(同) 「また、落ち着いて話せる時に、『私はファッションはこう考えているの』、『昔、化粧でこんな失敗したのよ』など、体験を交えて自分の考えを丁寧に話すといいと思います」(同)――進路、就職、恋愛など、価値観の対立はいろいろありそうです。 「価値観に関することは、タイミングを見つけてその都度言っておくことが大事です。例えば、一緒にテレビを見ている時もいい機会。自分の価値観を話すと、相手も自分の考えを話したくなるのでは? そうやって意見交換できる関係性ができるといいですね」(同)(母と息子の会話)(リビングで、一人で夕飯を食べながらテレビを見ている子ども。母親が通りかかる)(母と娘の会話)(出かけようとしている子ども)何が嫌なのかを整理し具体的に伝える親の価値観は、丁寧に語ることが大事何度も言っているのに行動しない子どもにイライラしているようです。まったく好みをわかってくれない親に何を言っても無駄だと思ったのかもしれないですね。「俺のこと気にせず、先に風呂に入ればいいじゃん」と思っているかもしれませんね。自分の価値観を押し付けているように聞こえます。52for Parent 2018

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