高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2018
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を作っていたメーカーが金融や音楽業界に参入するなど、異業種への参入が目まぐるしくなってきています。 子どもたちはこのような、先行きが見通せない、正解のない未来で活躍する人材として育っていかねばならないのです。右下のグラフのように、「企業が求める人材」は、「コミュニケーション能力」が圧倒的に高く、「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」と続いています。グローバル化社会で多様な人々とわたりあい、自ら進んで仲間とともに、した社会や大学の変化があるのです。 文部科学省は、「予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要とされている」として、高校、大学、大学入学者選抜を三位一体で改革することとしました。これが「高大接続改革」の狙いなのです。つまり、これからの社会を創る人材を育て、子どもたちに必要となる資質や能力を育むために、高校も大学も入試も一緒に変わらなければならないと言っているのです。新しい価値を生み出せる人材が求められていることがうかがえます。 社会への窓口となる大学での学びも変わり始めています。大講堂での講義型の授業だけでなく、小教室で意見を交わし合いながら学んだり、PBL学習(問題発見・解決型授業)など正解が一つではない課題に取り組み、レポートを提出する授業も増えています。大学入試が変わる背景には、こう 教育改革において、社会で求められる力を高校での学力に落とし込むために、文部科学省は新しい「学力の3要素」を提言しています(左上図)。一つは「知識・技能」で、今までの教育と同様です。二つ目が「思考力・判断力・表現力」。知識・技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な力とされ、これからの社会で重要視される能力です。三つ目の「主体性・多様性・協働性」とは、主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度のことです。 今までの大学入試では主に「知識・技能」を測ってきたため、筆記試験で済んだのですが、これからは「学力の3要素」を測って、生徒を選ぶことになります。センター試験が「大学入学共通テスト」に変わるのは、このひとつの手立てにすぎません。大学個別の入学選抜と組み合わせることで、「学力の3要素」の評価を網羅しようとしています。7ページでご紹介した、一般入試から「一般選抜」、AO入試から「総合型選抜」、推薦入試から「学校推薦型選抜」への変化も同様の理由からなのです。変わるのは入試だけでなく大学も高校も変わっていく学力の3要素をすべて測るのがこれからの大学入学者選抜▶入試における学力の3要素の評価ポイントの変化これからの時代に社会で生きていくために必要な「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」を養う。自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な「思考力・判断力・表現力等の能力」を育む。十分な知識・技能を習得する。9for Parent 2018

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