高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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 2018年3月に、約10年ぶりに改訂される高等学校学習指導要領が公示されました。この新・学習指導要領は、2019年度より3年間の移行期間を経て、2022年4月(2019年度の中学1年生が高校1年生になる年度)から施行される予定です。 今回の学習指導要領改訂のキーワードとなるのが、「主体的・対話的で深い学び」です。「教わる」から「学ぶ」へ、つまり受動から能動へと、学習指導の軸が大きく転換します。具体的に見ていきましょう。 新・学習指導要領では、これからの予測不可能な時代を生きるうえで必要となる資質・能力として「①知識及び技能、②思考力・判断力・表現力等、③学びに向かう力、人間性等」を3本柱として明示しています。そして、これらの資質・能力を育成するためには「主体的・対話的で深い学び」が求められ、その「実現に向けた授業改善が必要」であるとされています。授業改善の動きとして近年広がっているのが、「アクティブラーニング型授業」です。生徒が先生に教わる、という受け身の学習ではなく、生徒が主体となった能動的かつ生徒同士の対話的な学びが特徴で、これからの授業のベースとも言えるものです。 そして、今回の改訂で強調されているのが、「探究」と呼ばれる学びの重要性です。「知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習」が、探究に当たります。近年は「総合的な学習の時間」の中で探究学習に取り組む学校が増えてきましたが、生徒がより自律的により高度な探究に取り組めるよう、今年度からは「総合的な探究の時間」と名称を変えて、各学校で取り組みが始まります。 また、改訂の基本方針には社会との連携強化も明記されており、「子供たちが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成」するために「『社会に開かれた教育課程』を重視」するとあります。具体的には、生徒が地域に出て地域の人々と関わりながら学びを深める授業形態などが想定されます。探究では、このような学びが既に始まっています。次ページでは、「アクティブ・ラーニング」と「探究」について、具体的に解説していきます。生徒が主体となった能動的かつ対話的な教育へ「探究」が必修化。社会と関わりながら学びを深める文/笹原風花図 学校の授業はどう変わる?一連の教育改革のなかで実施される、高等学校学習指導要領の改訂。今年度からは「総合的な探究の時間」などが始まり、多くの学校で授業のあり方、学び方に変化が予想されます。具体的に高校での学びがどのように変わるのかを見ていきましょう。11for Parent 2019

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