高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
13/66

活動」というイメージから、「知識・技能はちゃんと身につくの?」という疑心をもたれがちですが、AL型授業では先生が生徒に知識や技能を教えるシーンもあります。従来と違うのが、どのタイミングでグループワークなどの活動を取り入れれば効果的か、という視点を先生自身が常にもっていることです。例えば、「先生が教壇に立って公式Aを教える↓公式Aを使って各自で問題を解いてみる↓グループで解法を確認し、教え合う↓どこでつまずきやすいかを話し合い、発表する」というのもAL型授業です。新・学習指導要領には「知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成」するとあり、AL型授業においては知識や技能の習得・定着も強く意識されているのです。けでなく、教科学習においても探究による深い学びが求められていることがわかります。 また、探究の成績(評価)については、ペーパーテストなどで知識を測るのではなく、「ルーブリック」という到達度の評価基準を示した表を独自に設定し、それを基に評価する高校が増えています。これにより、生徒も目標設定がしやすくなっています。 現行の学習指導要領では「総合的な学習の時間」のなかで行われることが多かった探究学習ですが、改訂により科目名が「総合的な探究の時間」となり、「理数探究」「地理探究」「古典探究」などの科目も新設されます。総合学習的な側面だ探究関連科目が新設され、評価基準の明確化も進む 作品集のことを「ポートフォリオ」といいますが、「ポートフォリオ=高校3年間の自分の“学び”を集めたもの」と考えるとわかりやすいでしょう。学校によって違いはありますが、テストの結果や成績表はもとより、探究学習など授業で取り組んだ課題や成果物、部活やボランティアなど課外活動の取り組みなど、学びに関わるあらゆる活動・成果を記録・蓄積(アーカイブ化)していこうという動きが広がっています。 ポートフォリオは大別して紙(ファイルやノートなど)とデジタル(eポートフォリオ)に分けられ、近年は後者を導入する学校も増えています。例えば、聖光学院(神奈川・私立)では、生徒が各自のスマートフォンやパソコンからeポートフォリオに入力できるようになっており、学内外での自主活動についても随時記録を残しています。 ポートフォリオのメリットは、生徒自身が記入・作成することで自分の学習や活動の履歴を振り返ることができ、先生も生徒一人ひとりの学びや成長の変遷を捉えやすくなること。先生と生徒が共有し、面談や進路指導にも活用されています。また、大学入試改革により、学力試験や面接の結果だけでなく高校での活動も含めて評価・判断しようという動きが広がり、出願時に高校3年間の「活動報告書」などの提出を求める大学も出てきています。あらかじめポートフォリオに記録・蓄積しておけば、こうした書類の作成もスムーズです。高校3年間の自分の学びの履歴を記録する甲府南高校(山梨・県立)ではファイル形式のポートフォリオを使用。それぞれの生徒が自分のファイルに課題研究や各種活動を記録していく。プレゼンテーションやパネル展示など探究活動の発表の形はさまざま。(写真:京都市立堀川高校)認定NPO法人カタリバが主催する探究型学習プログラム「マイプロジェクト」など全国の高校生とつながる場もある。福岡県・明光学園高校の日本史の授業の様子。この日は、「授業の目的と目標を確認」→「問いの提示」→「先生による解説」→「個人・グループワーク」の流れで行われた。高島高校(東京・都立)の公民の授業の様子。この日のテーマは「ぼくらの政党をつくろう」。グループごとに政党のキャッチフレーズや具体的な政策を考え、最後は各グループ代表が党首演説を行った。地域でのフィールドワークなど、探究では学外で学ぶ機会も多い。(写真:石川県立金沢泉丘高校)13for Parent 2019

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る