高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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 保護者の方にまずお伝えしたいのが、「間に合ってよかったですね」ということです。このたびの教育改革には、変化が激しく予測が困難な時代を生きるであろう今の子どもたちに、生きる力(私はこれを「何があっても大丈夫な力」と呼んでいます)を身につけさせる、という目的があります。逆に言えば、これまでの教育には足りていなかった部分があるということであり、わが子がこれからの時代に合った新しい価値基準に基づいた教育を受けられるというのは、とても幸運なことなのです。 今回の教育改革にはいくつか目玉がありますが、肝になっているのが、「知識を教わる」、「教わった知識を覚える」から「自ら知識を取りに行く」、「テーマを深掘りしていく」への学び方の転換です。予測ができない時代に多様性に富んだ社会で生きていくためには、こうした広がりのある学びが不可欠です。誰かが答えや指示を与えてくれるのを待っているようではいけないのです。 教育改革の方針を受けて、私たち教員は、生徒の「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「学びに向かう力・人間性」を総合的に育てるためにはどういった授業をすればいいのか、教員の役割は何か…と模索し続けてきました。かつては、教員の多くが指導計画通りに規定の範囲を規定の進度で教えることに注力しており、その結果生徒がどう変わったか、生徒にどういう力がついたのかという成果の部分についてはしっかりと議論がなされていませんでした。しかし昨今は、「生徒にどのような力をつけさせたいのか、ついたのか」という部分についての議論が活発になり、教員間で生徒の状況の共有が進んでいます。さらに、個人面談やポートフォリオなどのツールを活用して生徒一人ひとりの学びや成長を振り返りながら支えようという取り組みも活発になり、教育現場は大きく変わってきました。その変化を肌で感じています。「知識を教わる・覚える」から「自ら知識を取りに行く」学びへ「教える」から「引き出す」へ教育現場も大きく変わる大妻嵐山中学校・高等学校校長真下峯子先生1952年埼玉県生まれ。奈良女子大学理学部生物学科卒業後、埼玉県内の公立中学校・県立高校で理科・生物教育に従事。その間、上越教育大学大学院学校教育研究科で学び、修了(教育学修士)。埼玉県教育局県立学校部勤務、埼玉県立総合教育センター主席指導主事、県立高校長を経て、2014年より現職。自称「ずっと生物学が好きで好きでたまらない理科の先生」。モットーは「学ばない人からは、人は学ばない」。取材・文/笹原風花 撮影/城田正明一連の教育改革において、特にこの数年は大きな変革期・過渡期に当たります。高校生のお子さんをおもちの方は、不安や不満を感じていらっしゃるかもしれません。そこで今回は、公立高校で長年教鞭を執り、現在は私立中高一貫校の校長を務める真下峯子先生に、保護者ができる支援について伺いました。

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