高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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単なる思い出旅行ではなく、事前・事後学習を含めた体験的な学びの機会。内容は、研究所や学習施設訪問、住民の体験を聞く平和学習など、さまざま。書類には保護者の確認・捺印が必要。受験と科目選択との関係は複雑。子どもが迷っていたり、安易に考えていたりする場合は、本人が学校で先生に相談してみるよう促すのも手です。先生への相談を促す体験を通じて生きた知識を身につけるほか、旅先の暮らしや課題に目を向けることで多様性の理解を深めるなどの効果も期待できる。ずっと目標にしてきた進路(仕事・大学・学部)を諦めると言い出した! 頭ごなしに否定せず、まずは子どもの話に耳を傾けてみましょう。なぜそう考えたのかを聞いてみると、努力してきて限界なのか、安易な方向への逃げなのかが見えてきます。問題は「逃げ」の場合ですが、決して結論を急がずに、もう一度考えるための日にちを取って、何度か話し合いを。保護者は「子どもの一番の味方」であってほしいので、話し合いがこじれそうな時は「先生にも相談してごらん」と学校に振るのも手です。進路分野や志望校によっては、必ず履修しておかなくてはならない科目がある。目標に応じて必要な科目を選択する。現時点の志望校について志望理由を書いてみる進路学習。自分の思いを文章にすることで、目標達成への意欲を高めるのがねらい。進路が決まった先輩たちから、合格への道のりやアドバイスなどを聞く。生の体験談を聞くことで刺激を受ける生徒は多い。試験当日に受験生と同じ問題に挑戦する模試。志望校合格への現在の到達点を確認し、今後の学習計画を見通す。入試でも課されることが多い小論文。対策に時間がかかるので、2年生からスタートする学校は多い。「やりたいことがわからない」といつまでたっても進路を決められない! きっかけは小説やテレビドラマでもよいので、興味をもった仕事や生き方について調べてみるよう促してはどうでしょうか。カッコイイと思える大人との出会いや、進学してイキイキと学ぶ先輩の話から、一気に進路のイメージが広がることがあるので、学校の先生に相談して、関連する卒業生を紹介してもらうのも効果的でしょう。また、どうしても専門分野が決めきれないなら、幅広く学べる総合的な学部に進学する道もあります。本人の資質・適性から考えて不向きな進路を目指すと言い出した! 保護者が「向いていない」と指摘するのではなく、「その進路にはどういう力が必要?」「どんな人が向いていると思う?」などの質問を投げかけてみましょう。子どもはそれに答えるために改めて考えたり調べたりするなかで、その進路の一面だけ見ていたことや誤解していたことに自分自身で気づくかもしれません。また、不向きを承知のうえでの挑戦なら、その思いを受け止め、一緒に考えていこうという姿勢を示してあげたいですね。 しかし、学校でのがんばりは、家庭での子どもの様子からはわかりにくいもの。たまには授業公開や部活動の大会を覗いてみると、子どもの成長を実感でき、安心して見守れるようになるでしょう。 2年生の10月頃は、高校生活の折り返し地点。ちょうどこの頃の実施が多い修学旅行が終わると、一気に受験ムードが高まります。さらに、「3年生0学期」と言われる3学期になると、先輩たちが次々と進路を決定していく姿を横目に、受験勉強を始める2年生が増えます。 この時期、志望理由ワークシートなどを活用して、進路に対する自分の気持ちを確認する時間を設ける学校が少なくありません。 「進路決定というきれいな『花』を咲かせるためには、勉強をがんばって『枝』を伸ばすとともに、何のための勉強かという目的意識をしっかりもって『根』を張ることが大切です。家庭においても、今やるべき勉強の話だけでなく、『何に関わっていきたいか』『どういう人生を送りたいか』といった長期的な将来の話ができるとよいですね」(同)受験対策が始まるときこそ 目的意識を再確認※学校行事はモデルケースです。23for Parent 2019

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