高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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リクルート進学総研所長小林 浩激動する社会を見据え変化する大学教育への〝備え〞をお子さんが無事入試を突破した後の大学では、何が求められるのでしょうか。文部科学省の中央教育審議会の高大接続特別部会(2012〜14年)や高大接続システム改革会議(15〜16年)の委員として当初から教育改革論議に携わってきたリクルート進学総研の小林浩所長(高等教育専門誌『カレッジマネジメント』編集長)へのインタビューを基に考えてみましょう。 取材・文/教育ジャーナリスト 渡辺敦司ります」(小林所長)。 そうした環境の変化にとりわけ敏感なのが、社会に最も近い立場にある大学です。各種会議で「これからの日本は『入学の国』から『卒業の国』へ」と訴えてきた小林所長は、こう解説します。 「これからは、社会に対して『○○大学を出た』ではなく『○○大学で何ができるようになったか』を、大学は保証しなければならないし、学生も証明しなければいけません」 そのために、大学はさまざまな学習の場や成長機会を学生に提供するようになってきているのです。期間や行先も多様な海外留学プログラムを用意しているのはもとより(図表1)、授業にインターンシップでの実践社会の変化で重視される「何ができるようになるか」 「今入試がどう変わるかばかりがニュースとして取り上げられがちですが、社会が大きく変わっていく中で大学教育も高校教育も、そして両者をつなぐ入試も変わっていかなければいけない、というのが高大接続改革の考え方です」 人工知能(AI)がチェスだけでなく将棋や囲碁で人間に勝つなど、技術革新には目覚ましいものがあります。一方で少子高齢化やグローバル化はますます進み、これから社会に出る若者は「アジアをはじめ多様な国の優秀な人たちと一緒に働いたり競争したりしていくのが当たり前になを組み込んだり、企業との共同研究を行ったり、地域と連携して課題解決型のプロジェクト学習を行うなど、多くのチャレンジの場が用意されるようになっているのです。 しかし、同じ学部や学問でも、それをどのように学べるのかは同じではありません。 「大学を選ぶ際は、これまでのような偏差値一辺倒ではなく、学び方の違いを調べ、自分自身が入ってからどれだけ成長できそうかを基準に選んでほしい」と強調します。卒業後を意識した「三つのポリシー」 各大学の入試要項には、冒頭に「アドミッション・ポリシー」(入学者受け入れの方針 以下AP)が掲げられるのが今や当たり前になっており、オープンキャンパスの段階から詳しく説明を受けるなど、高校生にとってもAPはなじみのある言葉になっています。 しかし「ポリシー」は、それだけにとどまりません。大学には17年度からAPだけでなく「カリキュラム・ポリシー」(教育課程編成・実施の方針)「ディプロマ・ポリシー」(卒業認定・学位授与の方針)の策定が義務付けられています。まず社会にどのような学生を送り出すか、卒業時に何ができるようになるのかを示すディプロマ・ポリシーを描いてから、そうした学生を育成するためのカリキュラム・ポリシーを定め、それにもとづいた教育に取り組む学生を保護者のための最新大学講座32for Parent 2019

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