高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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00(校)200400600(校)200400600■国立 ■公立 ■私立8686848570277773575221449465761949544731146035431085.4%80.5%64.4%58.1%40.4%平成27年度●地域別内訳北米地域アジア地域欧州地域大洋州地域くないことでしょう。①知識・技能 ②思考力・判断力・表現力 ③主体的に学習に取り組む態度――のことで、小・中・高校では、こうした幅広い学習をバランスよく育成することが、法律で定められています。大学入学共通テストも、①を基にした②を中心に測定することを目指しています。 特に高大接続改革では、③を大学教育にも対応できるよう「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」と言い換え、各大学が独自に行う入学者選抜を含め、3要素すべてを評価して入学者を選抜することを求めています。 小林所長はこの内容を、「カレッジ・レディネス」という言葉で捉えることを提案しています。「うちの大学・学部に入学するために、このような準備をしてきてください」ということです。 例えば東京大学では「高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと」として、教科別に詳しく解説をしています。国語であれば、総合力を求め、その中心は(1)文章を筋道立てて読みとる読解力 (2)それを正しく明確な日本語によって表す表現力であることなどが書かれています。 カレッジ・レディネスは、教科のペーパーテストだけで測られる知識・技能や思考力・判断力・表現力にとどまるものではありません。3つのポリシーや選抜するためのアドミッション・ポリシーを定めなさい――というのが、大学教育改革の基本的な考え方です。 入学者選抜で問われる「カレッジ・レディネス」 「学力の3要素」という言葉を学校から説明してもらった保護者も少な入学者選抜の内容を読み解いていくと、各大学が求めていることとその教育内容が変わってきていることが理解できるのではないでしょうか。振り返りで自己肯定感を育て「何をしたいか」を明確に さて、各大学がAPや入学者選抜として発信しているカレッジ・レディネスと、お子さんの志望はうまくマッチしているでしょうか。その前には何よりも、お子さんが大学進学に向けて「何を学びたいのか。そしてどうなりたいのか」といった動機を明確にしていくことが重要です。 これについて小林所長は、お子さん自身が▽Will(何をしたいのか) ▽Can(何ができるのか) ▽Must(しなければならないことは何か)――で考えるよう提案しています。もちろんWillが明確であればよいですが、そうではない高校生も多いでしょう。まずMustから始め、それから徐々にCanを増やし、Willをはっきりさせていっては、と小林所長はアドバイスします。  そうした過程で重要になってくるのが、振り返りであり、振り返ることを通じて見通しをもつことです。既に高校で、ポートフォリオ(詳細はP・13参照)が導入され、その利用を推奨された生徒も少なくないことでしょう。行事や部活動、学校外も含めた高校時代の学びを、記入を通して振り返り、自分の成長を確かめていくものです。 振り返りの意義を、小林所長は「『小さなガッツポーズ』を積み重ねることを通して、自己肯定感を育むことです」と表現します。 ぜひ保護者とお子さんの間でもポートフォリオを材料にWill Can Mustについて話し合うなど、お子さんがWillを育てていくことをご家庭でも応援してください。保護者も新しい情報のキャッチを 高校生の進路選択の最大の相談相手は保護者であり、保護者の影響はとても大きいといわれています。 「それなのに従来型の考え方をしていると、子どもの進路を狭めてしまいます。保護者自身が、新しい情報を面白そうとポジティブに捉えてはどうでしょうか」と小林所長は投げかけます。● 次のページから、各大学がどのように教育改革に取り組んでいるか、一例としてご紹介しています。ぜひ今の大学を知っていただければと思います。図表1 海外の大学との大学間交流協定を締結している大学(平成27年度)文部科学省「大学における教育内容等の改革状況について(平成27年度)」より編集部作成33for Parent 2019

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