高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
50/66

もう高校生だから言われなくても勉強するはずと期待するもの。でも、一向に勉強にエンジンがかからないわが子にイライラ。見かねて注意すると反発されてしまったり…。高校生になったわが子のやる気を引き出すには、どのように接するのがいいのでしょうか。親子のコミュニケーションの専門家にアドバイスを伺いました。取材・文 /菅家真理枝 イラスト/小迎裕美子 子どものためと思って助言しても聞いてもらえないなど、高校生になったお子さんへの接し方に難しさを感じている保護者も多いようです。 「親は、子どものだめなところを変えようと思いがちですが、『親業』では、親がコミュニケーションの取り方を学び、親自身が変わることで、子どもが変わっていくと考えています。 ポイントは、『誰が困っているのか』を見極めること。親が困っているのなら、『わたしメッセージ』*1で親の気持ちを率直に伝えること、子ども自身が困っているのなら、『能動的な聞き方』*2で子どもの話をよく聞くことが、悩み解決の手助けになります」(瀬川先生) また、相手の性格や態度ではなく、行動を客観的に見ることの重要性を先生は指摘します。 「例えば、『だらしない』と言うと、相手の人格を否定することになります。相手のどんな行動を見てそう思ったのか、なぜ自分はそう思うのかを理解することが大事です」(同) 今回は、6つの失敗例について、先生から詳しくアドバイスを頂きました。ぜひ、参考にしてください。ダメダメコミュニケーションインストラクター親業訓練協会 企画室主任瀬川文子先生「親業」とは?米国の臨床心理学者トマス・ゴードン博士が開発したコミュニケーション訓練プログラム。親業訓練協会では、ゴードン・メソッドに基づいた「聞き方」「話し方」「対立の解き方」を柱に、さまざまな講座を開催。「親業」で提案するコミュニケーションのコツ(抜粋)(*1)「わたしメッセージ」…「わたし」を主語にし、相手の「行動」、自分への「影響」、正直な「気持ち」を伝えること。相手を責めることなく自分の気持ちを伝えることができ、解決方法は相手に任せる。(*2)「能動的な聞き方」…話し手の言ったことを「繰り返す」「言い換える」「気持ちをくむ」という3つの聞き方。話し手は、自分で自分の問題に気付きやすくなる。親業シニアインストラクター。親業訓練協会の運営に関わるとともに、保護者や教師、企業などを対象に講座や講演会で講師活動を行い、幅広く活躍中。『あっ、こう言えばいいのか!ゴードン博士の親になるための16の方法:家族をつなぐコミュニケーション』、『ママがおこるとかなしいの』(絵本)など著書多数。2女1男の母。50for Parent 2019

元のページ  ../index.html#50

このブックを見る