高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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010520153025(%) 40代の保護者が高校を卒業した25年くらい前と今では、高校生の進学事情は大きく異なります。前ページで紹介したように、進学率は8割を超え、大学等に納めるお金も大幅に値上がりしています。国公立大学の学費は平均25%以上アップし、私立大学との差が縮まっています。一方、私立大学も学費以外に納めるお金が多くなり、専門学校の費用も学校や専攻によっては数倍の開きがあります。 大学・専門学校の数も昔より増え、学部や専攻も細かく多様化しているため、子どもの志向や就職を考えて保護者が気軽に助言できる時代ではありません。第一子などが初めて進学するご家庭では、進学先選びにも親子で迷うことが多くなるかもしれません。 まず保護者は自分の経験が必ずしも通用しないことを知り、今の高校生が置かれた状況や環境をきちんと把握することが重要です。 左の調査では、進路や進学先について自分の希望が固まったのは高3のときだったという学生が多く、進学費用についても保護者と話した人は半数以下ということがわかりました。しかし、子どもの希望が固まってから進学費用を調べ、準備するのでは間に合わないことも。 進学するには大学等の学費だけでなく、高校在学中の教育費や受験にかかる費用、生活費の仕送りなど、予想以上の負担が生じることもあります。家庭でどこまで支えられるのか、進学前後に必要な費用を含めて幅広く情報を集め、親子で話し合っていきましょう。 大学の入試方法の見直しや、奨学金の種類や条件が変わるなど、この数年は高等教育に関わる制度も過渡期を迎えています。それに伴い、進学に必要な費用なども変わってくるかもしれません。 ファイナンシャル・プランナーが高校などで奨学金の説明を行い、進学費用の相談に応じる「スカラシップ・アドバイザー制度」も始まりました。高校やPTAなどの要請に応じ、日本学生支援機構がアドバイザーを派遣してくれます。こうした機会も活用し、最新の正しい情報をもとに具体的な準備を始めることが大切。正しい知識と情報があれば、費用の不安を軽くする解決策もみつかります。高1の1学期・夏休みまで高1の2学期・冬休みまで高1の3学期高2の1学期・夏休みまで高2の2学期・冬休みまで高2の3学期高3の1学期・夏休みまで高3の2学期・冬休みまで高3の3学期※「前期」の回答は「1学期・夏休みまで」に、「後期」の回答は「3学期」として集計した。例えば… ●大学と専門学校の学費の違い(を確認して話し合った)●(親が)自分の頃と比べて学費が高いと言った ●私立大学は経済的に無理だと言われた●学費が安いから国公立大学にしてほしいと言われた●私立大学なら自宅から通える範囲にしてほしいと 言われた●奨学金を借りるか借りないかの話をした進学資金の準備には幅広く情報を集め家庭で話し合うことが大事直近の情報をもとに教育資金の準備方法を具体的に考えていこう進学の状況は昔と異なる早いうちから親の意識改革が必要5.53.92.99.110.78.726.525.27.4話した41.3%話していない58.7%※※上2つのアンケートは、本誌編集部が大学生・専門学校生・浪人生にwebでアンケートを実施(有効回答者数310名)。実施期間:2017年12月20日~22日(調査協力:マクロミル)。58for Parent 2019

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