高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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大学入試は大きく分けて、センター試験に代わって始まる「大学入学共通テスト」と、大学個別のテストがあります。現在でもそれぞれの役割がありますが、新しい学力を問うために何がどのように変わるのか、具体的に見ていきましょう。1997年文部省(現・文部科学省)入省。幼児教育、大学教育、キャリア教育など教育制度を中心に担当。2014年から文部科学省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室長として学習指導要領改訂を担当。2017年4月より現職。独立行政法人大学入試センター審議役大杉住子さんこれからの時代に求められる力が、2020年度から導入される「大学入学共通テスト」でどのように問われようとしているのでしょう。大学入試センターでその実施に向けた検討に取り組まれている大杉住子さんに、新しいテストはどんなねらいでどのような問題になるのか、センター試験と何が違うのかについて解説していただきました。 高校生や保護者の皆さんには「センター試験が変わる」という入試の変化だけがクローズアップされがちです。しかし、現在の教育改革の本質は、入試を乗り越える力ではなく、社会に出てから生涯にわたって必要とされる力を、高校・大学を通じて子どもたちに身につけさせようというものです。もっと言えば、新しい学習指導要領では幼稚園から大学まで、学校種を超えた積み重ねでこうした力をつけていこうとしています。 そのため、高校の現場では学力の3要素(前ページ参照)を身につけるために「主体的、対話的で深い学び」を目指す授業に変わってきています。こうした高校での授業や学習の成果を最大限に評価して大学での学びにつなげようとしているのが、新しい「大学入学共通テスト」(以下新テスト)なのです。センター試験と同様に大学の教員が作問しますが、新テストでは高校と大学の教員が教科ごとに大学の基礎力としてどういう力が求められるのかを議論し、それをもとに作問されることになります。 具体的には左図「センター試験からの主な変更点」で示したように、国語と数学にマークシートだけでなく記述式問題が出題されたり、英語では従来の「聞く」「読む」に加えて、「話す」「書く」を含めた4技能が重視されます。マークシートで解答する設問でも、知識の質や思考の過程を重視した問題を取り入れます。 新テスト導入に先駆け一昨年と昨年に、高校生を対象として試行調査(プレテスト)を実施しました。大学入試センターのホームページで試行調査の全問と解答を見ることができますが、見ていただきたいのは設問自体よりも「問題のねらい、主に問いたい資質・能力」です。各教科でどういう思考が問われているかを具体的に明らかにしています。受験のためだけに知知識の質や、思考のプロセスに光を当てた設問6for Parent 2019
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