高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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大杉さんのお話にある「知識の質や思考の過程を重視した問題」とは具体的にどのような設問になるのか、2018年11月に実施された試行調査から読み解きます。※独立行政法人大学入試センター「大学入学共通テスト」試行調査(平成30年11月実施分)より抜粋「数学Ⅰ・数学A」第1問[4]より「生物基礎」第1問・問3より「数学Ⅰ・数学A」第1問[3]より※「大学入学共通テスト」試行調査(平成30年度実施)の全問と解答、 問題のねらいは以下で見ることができます。https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30_1111.html数学の図形の証明問題で、問題解決の結果だけではなく、解決に向けた構想の過程を考えたり、生物で実験結果から実験方法を考える設問が出題。場面や文脈が異なっても解決方法を導き出せる応用力が問われます。日常生活の場面で見聞きしている身近なことがらに対して、教科ごとの視点で説明したり、解決策を探る設問が多数出題されています。例えば数学では小学校と高校の階段の高さから三角比を考える問題や、化学で出汁の成分を化学式で問う設問があります。図 センター試験からの主な変更点識を詰め込むのではなく、教科で学んだことを使って、ものごとの見方・考え方をどう鍛えていくことが大学教育の基礎として期待されているかがわかると思います。 「モノからコトへ」と消費者の志向が変化するなか、日本経済を牽引してきたさまざまな産業も変化を余儀なくされています。子どもたちに目を向ければ、人気職種にユーチューバーが挙げられる時代です。こうした社会の変化の中で子どもたちにどういう力をつけてあげたらいいのかは、保護者の皆さんだけでなく、世の中の多くの大人が不安に感じていることです。それを解決しようと、教育関係者のみならずさまざまな専門の有識者が時間をかけて議論してきた英知の結集が新学習指導要領であり、新テストです。 「この時代に何をどう学べばいいか」を探りながら、教科ごとの問いに落とし込んでいった想いが、新テストの「問題のねらい」に込められています。 未来の創り手となる子どもたちの幸せを願うのは、今回の改革に関わるすべての関係者に共通した想いです。先の見えない時代への不安を乗り越える教育改革「日本史B」第5問より日本史では、ある生徒たちの探究授業の過程から出題。複数の資料をもとに考察し論述していく流れが設問となっています。このように国語以外の教科でも文章や資料を読み解く力が求められ、複数の資料から情報の意味を再構築する力を見ようとしています。7for Parent 2019

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