高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2019
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早くから入試改革を進めてきたのが早稲田大学です。2018年度からは一部の学部において、地方の優秀な生徒を取り込み、地域社会に貢献できる人材の育成のために「新思考入試(地域連携型)」を導入。高校時代に行ってきた、地域課題に対する活動内容や、早稲田で学びたいこと、将来の地域貢献などについてのレポートで課題発見能力を判定し、論文、センター試験で論理的思考力や学力も判断する入試です。 さらに2021年度の入試では、一般選抜や大学入学共通テスト利用の選抜で、全学部のWeb出願時に、「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験について、受験生本人が自分自身の経験を振り返り、文章化することを求めることになりました。得点化はしないものの、記入がない場合は出願できないことになります。また、政治経済学部で大学入学共通テストの「数学Ⅰ・数学A」が必須科目となったことで話題を呼びました。同学部は文系と捉えられてきましたが、実際には統計学や数理的なアプローチが欠かせない学問で、実態に即した入試内容に変わっていくということです。対象学部等主な変更点 全学部共通 一般選抜(現行の一般入試)および大学入学共通テスト(現行の大学入試センター試験) を利用した入試の出願要件を変更し、Web出願時に、「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験を記入 政治経済学部 一般入試について、大学入学共通テスト、英語外部検定試験、学部独自試験(日英 両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式)の合計点による選抜に変更。大学入学共通テストでは、1外国語(英語・独語・仏語のいずれか1つ)、2国語、3数学Ⅰ・数学A、4選択科目(地理歴史、公民 、数学 、理科のいずれか1つ)の4科目国際教養学部 一般入試について、大学入学共通テスト、英語外部検定試験、学部独自試験(英語)の合計点により選抜する方式に変更。 大学入学共通テストでは、1国語、2選択科目(地理歴史、数学 、理科のいずれか1つ)の2科目 スポーツ科学部現行の一般入試、センター利用入試[センター+一般方式]に当たるものを、大学入学共通テスト、学部独自試験(小論文)により選抜する方式に変更 ほか 図 早稲田大学個別入試の主な変更点 京都大学は2016年度から「特色入試」をスタート。高校教育から大学教育への接続を図り、社会の各界で積極的に活動できる人材や世界を牽引するグローバルリーダーを育成するため、高校での学修における行動や成果、および個々の学部の教育を受けるにふさわしい能力ならびに志を総合的に評価する、京都大学独自の選抜方式です。ポスターからもわかるように、学びの「意欲」が求められており、2018年度からは全学部・全学科で実施しています。 こうした入試を導入した背景にあるのは、一般入試と特色入試で入学した多様な学生が切磋琢磨することによって、新しい考えが生み出されていくことへの期待です。分野を超えて異なる能力や発想に出会い、対話を楽しみ協力関係を形作る場を提供しようとしています。 詳細は学部・学科によって異なりますが、共通の基本方針は、①高校での学修における行動と成果の判定と、②個々の学部におけるカリキュラムや教育コースへの適合力の判定です。 ①では、調査書や推薦書の他、高校での「学業活動報告書」、高校での活動内容から京都大学で何を学びたいのか、卒業後にどういう仕事に就きたいかなど、志願者自らの学ぶ意欲や志について書く「学びの設計書」などの書類を提出。②で、基礎学力や各学部・学科に適合する能力を測るため、センター試験、学部ごとの能力測定考査、論文試験、面接試験、口頭試問等も組み合わせています。入学後に必要となる力を多面的に評価できるよう、大きく変わろうとしている大学の個別入試。いくつかの事例から、大学が入試に込めたメッセージを読み解いてみましょう。9for Parent 2019
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