キャリアガイダンス保護者版2020
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秘めています。「社会に出るってなんだか楽しいのかも」と子どもが感じるきっかけになるでしょう。 しかし、わが子の長所にしても、仕事のことでも、良いことは意外と忘れてしまうもの。私は「良いことメモ」をおすすめしています。最初は良いことがあったときにメモを取ることをしているうちに、メモに書くために良いことをしようと思って仕事をするようになったり、子どもの長所も見つけやすくなったりするからです。 子どもが何か話したそうな素振りを見せたときや、進路に関わる心情を打ち明けてきたときは、多少疲れていても耳を傾けて対話してあげてほしいです。子どもと対話するときのポイントを図11に挙げてみました。 「プロセス評価」はとても大事で、子どもたちに粘り強さを育んでいきます。「ポジティブアプローチ」は保護者が失敗しがちなところ。つい未来を意識して「がんばってね」と言いたくなりますが、がんばらなければならないことは、本人が一番よくわかっています。プロセス評価にもつながりますが、がんばってきた過去や現在をほめてあげてください。 会話が少ない家庭では「One Word禁止」運動をしてみてください。そのために食事中のスマホはぜひ禁止に。逆に会話が多い家庭では、ただ一緒にしゃべるのではなく、質問して「意見を促す」ことも主体的思考力を育むことにつながります。「チャンス対話」は学校現場でも効果的で、身構えずにポロッと本音が出てきます。 そして「子どもが先生」になる場面はこの先増えていくと思います。変化が急激で保護者にもわからないことが多々あります。保護者自身も100年時代を生き抜くためには、「我以外皆我が師」の心で、ときに子どもにも教えを請い、あらゆるものから学ぶ姿勢をもち続けられるといいですね。ポイント期待される効果例(○⇒良い例、×⇒悪い例)プロセス評価結果がどうであれ、次の目標に向かってがんばる力が伸びるプロセスをほめる⇒○「あなたなら大丈夫」*挫折してもまたがんばろうと考えられる*改善策を考えて繰り返しチャレンジできるポジティブアプローチ過去と現在を意識して声をかけると効果的過去を評価する⇒○「がんばったね」現在を評価する⇒○「がんばってるね」未来は本人に任せる⇒×「がんばってね」*本人はわかってるのでウザイOne Word禁止文章として話すことで、思考力と表現力が伸びる食事中の会話⇒×「(このおかず)ヤバイ」意見を促す物事に対する自分の考えが広がり、主体的思考力が伸びるニュースなどを見て⇒○「あなたならどう思う?」チャンス対話身構えない日常会話の中できっかけを提供すると、本音の話をするようになるチャンス対話⇒○生活上で子どもが何かしたときに「それいいね」とほめる計画対話⇒×「ちょっと座りなさい」と言ってから質問し始める  *堅苦しい子どもが先生保護者がわからないことを素直に尋ねると、心を開くようになる「あなたの方がスマホ詳しいから教えて」 ⇒「わからないときは素直に聞くことが大切だな」と心を開くときには子どもから学ぶこれからはそういう時代図10 自ら伸びる子どもを育む保護者の言動図11 子どもへの声かけ、対話のポイント 反省点を改善してほしいときに、冷静に理由を説明して叱る*良いことをしたときにはSは不要良い言動や長所をほめる。自分で改善策を見つけたらほめる改善するための行動を起こしたらはげます希望をもって行動を継続させる力や、何回でもどんなことにも取り組む力を育む21for Parent 202015年後の社会でわが子に必要な力とは

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