キャリアガイダンス保護者版2020
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そのままいきます。成績の順位や偏差値がすべてではないとはいえ、基礎学力がないと3年生で挽回できないので、1年次が大事なのは事実です」(佐々木先生) 中学のときはテスト前にがんばればなんとかなっていたかもしれませんが、そうはいかないのが高校での勉強。進度が速かったり科目が多いことを自覚しているのなら、1年生の最初から日々コツコツと復習していかないと、3年後に泣きを見るのは子ども自身です。また、部活や行事など勉強以外の要素もある中で、どう自分自身の時間をコントロールしていくかは、早期に身に付けておかなければならない力です。 上記の「子どもの言い分」は、右のアンケートに答えてくれた先輩たちのなかで、成績が下がった経験のある人にその理由を尋ねたものです。保護者からすると「そんなの成績が上がってる子も同じでしょ!」と思ってしまうような内容。本企画を監修いただいた日野台高校・佐々木 宏先生は、高校入学直後の成績順位が、卒業まで大きく入れ替わらないことを懸念しています。 「急に伸びる生徒もいますし、最終的には個の力に寄るところもありますが、多くの生徒は卒業まで1年生の最初でつまずくと卒業までそのままいくことに成績が下がることにも理由があります。保護者には屁理屈にしか聞こえないことについての、現場の先生たちの見方は?高校に入ると、中学時代と成績の様子が異なってくることがよくあります。同じような成績の子が集まっているという理由だけでは済まされない何かが…。その原因や解決策を、先生や大学生たちの生の声などから考えていきましょう。監修/佐々木 宏先生(東京都立日野台高校) 取材・文/長島佳子自分の成績が下がったんじゃなくて、高校は同じような成績の人が集まっているから仕方ないよね。確かに中学時代は上位の成績でも、同様の生徒の集団に入れば相対的に成績が下がることはあります。でも、1年次の位置づけで甘んじずにがんばれるかがどうかが問題。高校は中学よりも科目が細分化されて数が多くなるから、全部一生懸命やるのは大変なんだよ。科目数に比例して学ぶ量も増えます。でも、授業中に理解できていれば、定期試験ではそれなりの成績は取れるはずなので、授業に集中できていないのでは?部活も忙しいし、行事の規模が中学とは全然違うから、やることがいっぱいで勉強する暇ないんだよ。高校では行事や部活の質量が増しますね。大切なのは、自分で考えながら取り組むことです。自分が成長できる場になるよう、他とバランスを取りましょう。スマホ買ってもらっちゃったからねー。ゲームとかSNSやるのが楽しくてつい時間がたっちゃう。今の時代にスマホが使えるようになることは必要ですし、持つことが悪いとは言ってません。問題は自分のコントロールができていないことだと思いますよ。上がった上がった38.138.1%%下がった下がった27.427.4%%あまりあまり変わらなかった変わらなかった34.534.5%%上がった上がった6969%%下がった下がった1515%%あまりあまり変わらなかった変わらなかった1616%%上がった上がった3131%%下がった下がった4242%%あまりあまり変わらなかった変わらなかった2727%%上がった上がった3636%%下がった下がった2323%%あまりあまり変わらなかった変わらなかった4141%%高校時代に関するアンケート大学生・専門学校生・浪人生にwebでアンケートを実施(有効回答者数310名)。実施期間:2017年12月20日~22日(調査協力:マクロミル)30for Parent 2020
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