キャリアガイダンス保護者版2020
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教えて!「大学入学共通テストって、そもそも何?大学選びのポイントも変わるの?」来年1月から、大学入試センター試験に代わって「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)が実施されます。しかし昨年末、制度の柱だった英語の民間資格・検定試験活用と、国語・数学の記述式問題の出題が見送られることとなりました。二つの柱の見送りで、センター試験に戻るのか? そもそも共通テストへの衣替えは、何を狙っていたのか――。保護者も「高大接続改革」について理解を深め、それぞれの大学の教育内容に注目していきましょう。各大学が大まかな出題教科・科目などを受験生に予告する慣行があるからです。そのために国は、さらにその1年前(21年夏ごろ)には、どのような制度改革を行うかを各大学に予告する必要があります。検討会議が20年中に提言を出せば、ちょうど間に合うスケジュールです。 ですから今春の新入生にとっては、今年度の3年生が受験する入試の態勢が基本的に引き継がれることになります。今後、各大学がどのような入学者選抜要項を出してくるかが、改めて注目されます。センター試験から出題傾向はがらっと変わる ところで二つの柱の見送りによって、今春新入生が受験する態勢は基本的に3年生と同じ 「共通テスト」も含めた大学入試の見直しについては、文部科学省で今年1月から、有識者や関係団体代表者を集めた「大学入試のあり方に関する検討会議」が議論を行っています。萩生田光一文部科学相は初会合の挨拶で、今後1年程度で取りまとめを行うよう要請しました。 1年程度というのは、新しい高校学習指導要領(2018年告示)で学ぶ22年度入学生が大学を受験する年(24年度中に実施される25年度入試)に間に合わせるためです。というのも、大学入試を大幅に変えるには「2年前ルール」といって、2年程度前(25年度入試の場合は22年中)には「共通テスト」本体はどうなるのでしょうか。よく「振り出しに戻った」とか「名称が変わっただけだ」ともいわれるのですが、本当にそうなのでしょうか。 図1を見てください。上にある「学力の3要素」とは、学校教育法30条2項に規定されている、小・中・高校などで育成すべき、①基礎的な「知識・技能」 ②知識・技能を活用して課題を解決するために必要な「思考力・判断力・表現力」 ③主体的に学習に取り組む態度――のうち、大学でも活用できるよう、③を「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」と言い換えたものです。 つまり、現行のセンター試験が、思考力・判断力・表現力を視野に入れながらも知識・技能に力点が置かれているのに対して、「共通テスト」では、思考力・判断力・表現力の測定に比重を移すものです。二つの柱が見送られたことで「表現力」は問われなくなったものの、基本的な方針に変更はありません。わかりやすく言えば、「出題傾向ががらっと変わる」ということにほかなりません。 近年のセンター試験でも「共通テスト」への移行を意識した出題がなされているため、変化は一見わかりにくいかもしれません。しかし、高校の授業で知識・技能をしっかり身につけたうえで、思考力・判断力・表現力も鍛えることが不可欠になるのです。 大学入試センターの「共通テスト」問題作成方針で「授業において生徒が学習する場面や、社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方教育ジャーナリストが最新解説教育専門誌を中心に、教育行政から実践まで幅広く取材・執筆。Webサイト「リクルート進学総研」に「教育トピック 教えて!」シリーズを連載。教育ジャーナリスト 渡辺敦司36for Parent 2020
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