キャリアガイダンス保護者版2020
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for Parent 2020美容技術の習得中心から美しく生きる力を育む大学へ山野美容芸術短期大学 YAMANO COLLEGE OF AESTHETICS建学の精神「美道」で美しく生きる力を育むネイティブの英語教員を前に、学生たちは「華道」について英語で説明し始めた。山野美容芸術短期大学(以下、山野短大)の授業のひとコマだ。笑い声が上がる場面も多く、英語があふれる教室では、学生たちの笑顔と活気に包まれながら授業が進行していった。副学長である木村康一教授は、「英語によるコミュニケーションは特に力を入れている分野のひとつ」だと、山野短大が目指す教育について語る。「『美道』という美しく生きる力を学ぶ本学にとって、日本の伝承美を海外に向けて発信できる能力を身に付けることはとても大切なことだと考えています。現在私たちは、2021年度に向けて大きな大学改革と教育改革に取り組んでいますが、それはこれからの社会のあり方を見据えて、どのような人材を育成していくかを再構築するのが目的です。国際教育はその大きな柱のひとつなのです」日本の美容教育を充実させてきた歴史と伝統山野短大を設立し初代学長を務めたのは、日本美容界の草分けである山野愛子氏。山野氏は美容に携わる人々の技術と地位の向上を目指して1934年(昭和9年)に山野美容講習所を設立した。山野氏らの尽力もあって、美容師の資格は国家資格として整備され、養成は厚生労働大臣指定の養成校が担うようになるなど、その技術も地位も大きく向上した。そして1992年には、さらなる教育の充実を目指して山野短大を設立。当時は美容師養成専門学校の教育課程がまだ1年制だった時代。山野短大が切り拓いた、2年制の教育課程で幅広い教養と美容の技術を身に付けるカリキュラムは、その後2年制へと移行した専門学校の教育課程のモデルとして、多くの学校のお手本となっている。ホスピタリティを考え広めていく力を養う山野短大が建学の精神として掲げているのは『美道』という考え方だ。美道五大原則として記されているのは外見の美にとどまらず内面的な美しさを大切にするという精神だ。木村副学長が語る山野短大の大学改革の基本も、この『美道』のもとに構想されている。「本学の設立当初は山野の伝統に則って『美容技術』の習得を重要日本美容界の草分け、山野愛子氏が開学した山野美容芸術短期大学。美容技術の習得から始まった教育は、自分も、他者も美しく豊かにする「美道」のもとに、美しく生きる力を育む教育へと大学改革をスタートさせている。取材・文/今野雅晴48産学連携による企業とのコラボレーションも活発に行っている。国産オーガニックコスメを展開する企業などと提携し、市場調査や商品開発、販売などを行う課題解決型授業(PBL)に取り組んでいる

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