キャリアガイダンス保護者版2020
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(母と息子の会話)(子ども、帰宅)疲れたと言っているのに、スルーして、勉強するよう押し付けています。一方的に命令していますね。練習がきついことをわかってほしいのではないでしょうか。部活をやることを責められたように感じたのかもしれませんね。命令されてカチンときたようですが、心の中では「勉強も部活も頑張りたい」と思っているかもしれませんね。――部活も大切ですが、親は、どうしても勉強面が心配になります。 「よくある会話ですね。『疲れた』と言っていますから、『疲れたんだね』とまずは子どもの言いたいことや気持ちを受け止めることが大切です。『試合前の練習って大変なの?』と確認することもできます。相手の状況を理解したうえで、勉強のことが気になっているのなら、率直に思いを伝えてみることです」(瀬川先生)〈おすすめの会話例1〉親「そっか、本当に疲れ切ってるんだね。でも、中間が悪かったから、期末テストは頑張るって言ってたよね」子「そうだけど」(練習がきついんだよと言いたいのかもしれません)親「そっか、でも練習がきついんだね」★ ――上の会話例では「部活を頑張るのがどうしていけないんだよ」と反発を招いてしまったようです。 「きっと、部活をやることを責められたように感じたのでしょう。成績が下がったらどうしようと不安なのは子ども自身。言葉に出さなくても、勉強も部活も頑張らなくてはという気持ちはあるのではないでしょうか。わかっているのに言われるから腹が立つのだと思います」(同)〈おすすめの会話例2〉親「部活に夢中になりすぎって責められていると思ったのね。そんなつもりじゃないのよ。部活は応援してるよ。ただ、成績は大丈夫かなと心配になったの」子「部活も勉強も両方頑張りたいんだよ」(と言うかもしれませんね)親「そっか、じゃ頑張ってね」★ 「このように、相手の気持ちをくんで言葉を返すと、子どもも少し落ち着くと思います」(同)――話したくても、子どもが黙ってしまって会話が続かないと感じている保護者も多いようです。 「高校生くらいの時期は、黙ってしまうことはよくあることです。そういうときには、『今は、話したくないんだね。でも、困ったことがあったら、いつでも言ってね。相談にのるよ』と声かけをしておくといいと思います。特に、日頃はあまり話さないお父さんから『できることがあったら、いつでも相談しろよ』と言ってもらうと嬉しいですし、とても元気が出ると思います」(同)わかっていることを言われると腹が立つ「何かあったら言ってね」は最高の励まし53for Parent 2020

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