キャリアガイダンス保護者版2020
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 上のQは、「大学入試センター試験」(以下、センター試験)に代わって来年から始まる「大学入学共通テスト」に先駆けて実施された、試行調査で実際に出された問題です。暗記している知識で答えられる問題だけでなく、初めて見る複数の資料を合わせて検討したり、自分の考えがないと答えられない問題が、全教科に導入されます。上の日本史の問題は、「できごと」は実は、(ア)、(イ)のどちらを選んでもよく、次に選ぶ理由と合致していれば正解という、答えの組み合わせによって正答が複数ある形式の問題になっているのです。 なぜこのように、子どもの進学に関わる大事な一斉テストが変わるのか。それはこれからの時代に求められる力が変わってきているからに他なりません。 皆さんも実社会の中で、学校の成績が良かった人や、いわゆる難関大学出身者が必ずしも仕事ができるわけではない、となんとなく感じたことがあるのではないでしょうか? 知識がたくさんあるだけではダメだと。そこをちゃんと科学的に見ていこうと考え始めたわけで、これは日本だけではなく、世界的な流れです。 もうひとつ、今の時代、知識を覚えたり公式を使って解くだけならAIの方が強い。そういう仕事は取って代わられるようになり、AIにはできない、人とコミュニケーシテストの点以外も評価対象に!これって皆さんの子どもにはチャンスですか? ピンチですか?※ 「大学入学共通テスト」試行調査(平成29年度実施分)の全問は以下で見ることができます。https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h29_01.html※独立行政法人大学入試センター「大学入学共通テスト」試行調査(平成29年11月実施分)「日本史B」より抜粋。問題の続きは欄外参照取材・文/長島佳子2000年、文部省(現・文部科学省)入省。経済協力開発機構(OECD)教育スキル局アナリスト、文部科学省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室長等を経て、2019年より現職。大学入学共通テストの問題の作成・開発に携わっている。独立行政法人大学入試センター試験・研究統括補佐官 (兼)審議役白井 俊氏2時間目教育・学力保護者のための特別授業9for Parent 202015年後の社会でわが子に必要な力とは

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