キャリアガイダンス保護者版2021
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保護者にもオススメ!『まんがで知る 未来への学び 1~3』(さくら社/2019年刊)1,800円(税抜)前田康裕先生が漫画・文を手がける本シリーズ。前田先生の教育への深い造詣のうえに成り立つわかりやすいストーリーで、教育業界では愛読者が多い。美術教師の桜山さやか先生。作品作りが得意な生徒だけが活躍する従来の美術の授業に疑問を感じ、「ポスターのデザイン」の授業に入る前に、学習指導要領を読み直します。重要です」と話します。知識を覚え技能を身につける基礎学習は今後も必要ですが、「テストのため」ではなく「課題解決のため」という目的があることが大きな違いです。 「何のために学ぶのか、この学びがどう役立つのかが明確になればなるほど、生徒たちの学びに向かう姿勢は主体的になります。そして、こうした主体的・対話的な学びのプロセスを通して、問題発見・解決能力、情報活用能力、言語能力・思考力、他者との協働性や相手を認め思いやる気持ちといった、持続可能な未来社会の創り手となるために必要な資質・能力を育んでいくのです」(前田先生)多面的な評価に変わってきており、探究型の学びを通して培われる力がさまざまなかたちで問われます。いわゆる詰め込み型の受験勉強では、対処できません。さらに今後は、さまざまな社会課題に向き合い解決していくこと、持続可能な社会を創造すること自体が職業になります。直接的であれ間接的であれ、今の高校生たちは将来、課題探究活動に関わることになるのです」(前田先生) では、高校生の子どもをもつ保護者は、新しい教育をどのように受け止め、わが子をどのように支りするシーンもあります。さらに、教室の外に出て調査・活動したり、タブレット端末やパソコンなどのデジタルツールを活用したりするシーンも増えます。 さらに、探究的な学びも重視されます。必履修の「総合的な探究の時間」を中心として、「実社会の課題に対して、身につけた知識を活用したり、さらに調べたり、意見を出し合って議論したりしながら解決策を探る、教科等横断的な学びが重要になる」と板倉さん。「ひたすら暗記をしたり問題を解いたりするような勉強のみにとらわれず、実社会で活用できる〝生きて働くもの〞にしていくような知識・技能の習得を意識することが 保護者として気になるのが、成績評価や大学受験への対応です。評価については、ペーパーテストの結果や提出物などの成果物だけでなく、「そこにたどり着くプロセスや主体的に学習に取り組む姿勢なども含めて総合的に見取られるようになる」と板倉さん。定期テストの成績さえ良ければ安心…というわけにはいかないのです。 さらに前田先生は、「探究型の学びは大学受験には役立たない、関係ないという考えは、捨てていただきたい」と訴えます。 「近年の大学入試は、総合的・成績も入試も、プロセスや姿勢を含む総合的な評価へ保護者自身も学び続け、対話を通して自立を支える今までとは大きく変わる!?わが子の学びの“これから”を知ろう!11for Parent 2021

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