キャリアガイダンス保護者版2021
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単なる思い出旅行ではなく、事前・事後学習を含めた体験的な学びの機会。内容は、研究所や企業の職場訪問、住民の体験を聞く平和学習などさまざま。書類には保護者の確認・捺印が必要。受験と科目選択との関係は複雑。子どもが迷っていたり、安易に考えていたりする場合は、本人が学校で先生に相談してみるよう促すのも手です。先生への相談を促す体験を通じて生きた知識を身につける他、旅先の暮らしや課題に目を向けることで多様性の理解を深めるなどの効果も期待できる。進路分野や志望校によっては、必ず履修しておかなくてはならない科目がある。目標に応じて必要な科目を選択する。現時点の志望校について志望理由を書いてみる進路学習。自分の思いを文章にすることで、目標達成への意欲を高めるのが狙い。進路が決まった先輩たちから、合格への道のりやアドバイスなどを聞く。生の体験談を聞くことで刺激を受ける生徒は多い。入試でも課されることが多い小論文。対策に時間がかかるので、2年生からスタートする学校は多い。させてあげてください」(堀先生) また、高校生対象のコンテストやワークショップなど校外イベントに参加し、主体性やコミュニケーション力を飛躍的に伸ばし、興味関心を広げる生徒も。さまざまなことに積極的に挑戦するよう、ぜひ家庭でも後押ししたいですね。 2年生の10月ごろは、高校生活の折り返し地点。このころの実施が多い修学旅行が終わると、一気に受験ムードが高まります。さらに、「3年生0学期」と言われる3学期には、先輩たちが次々と進路を決定していく姿を横目に、受験勉強を始める2年生が増えます。 この時期、志望理由ワークシートなどを活用して、進路に対する自分の気持ちを確認する時間を設ける学校が少なくありません。 「将来きれいな『花』を咲かせるためには、勉強をがんばって『枝』を伸ばすとともに、何のための勉強かという目的意識をしっかりもって『根』を張ることが大切です。しかし、誰かが無理に『枝』を引っ張ると枯れてしまうことも。家庭では水や肥料をやる気持ちで見守り、子どもが自ら強い『根』を伸ばせるよう応援しましょう」(同)受験対策が始まるときこそ 目的意識を再確認試験当日に受験生と同じ問題に挑戦する模試。志望校合格への現在の到達点を確認し、今後の学習計画を見通す。高校生活のさまざまな経験のなかで、興味関心ややりたいことが変化するのは自然なこと。むしろ、将来について深く考え始めたと前向きに捉えていいのかもしれません。保護者としては頭ごなしに否定せず、まずは志望を変えたきっかけや理由などの子どもの話に丁寧に耳を傾けることが大切でしょう。そのうえで、子どもの考えに甘さや視野の狭さを感じるなら、人生の先輩として冷静にアドバイスを。保護者から話すと喧嘩になりそうな場合は、教員に相談して協力を仰ぐのもよいでしょう。学科試験がなくても「楽」とは限りません。学校推薦型選抜や総合型選抜で課される面接・小論文は自分の内面まで問われ、学科試験より厳しいともいえます。学校推薦型は「過去」(高校時代のがんばり)をPR、総合型は「未来」(進学後の可能性)をPR、一般は「現在」(選抜時点の学力)をPRする選抜という捉え方ができます。そうした特徴をふまえて子どもに「自分に合うのはどれだと思う?」と問いかけるなどし、今一度、進路実現に必要な選択について考えさせたいですね。変化が激しく不透明な時代を生きていくには、しっかりした自分の軸をもつことが非常に大切。この時期の生徒には、安易に資格系職業に飛びつくより、じっくり腰を据えて考え自分の軸を見つけてほしいと思っています。じれったいかもしれませんが、保護者には「待つ」姿勢をお願いしたいですね。とはいえ放任するのではなく、日常のなかで子どもが今がんばっていることやTVに登場した職業を話題にするなど、子ども自身が考えるきっかけをつくるといった協力は大切ではないでしょうか。※学校行事はモデルケースです。新型コロナの影響で例年と異なる時期、内容で実施される可能性もあります。21for Parent 2021

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