for Parent 2021就職戦線も激変。ピンチをチャンスに変えた、就職キャリア支援の底力國學院大學 Kokugakuin Universityコロナショックは、大学生の就職活動に今も大きな影響を及ぼしている。だが、この困難を乗り越え、さらに攻めの就職キャリア支援を展開しているのが國學院大學だ。同学学生事務部長の藤形正俊氏に話を伺った。取材・文/酒井 摂32開催イベント数は減らさず、企業と学生との「接点」を重視「就職キャリア支援イベントは一つも減らすことなく、予定通りすべて開催しよう。とにかく、学生に提供するサービスの質を落とさないこと」。2020年春、國學院大學の就職支援担当職員たちは、この合言葉のもと就職支援のオンライン化を急ピッチで進めた。「本学では、自主企画による就職キャリア支援イベントを毎年数多く開催しています。これらイベントは優良企業と学生との接点を作る上で重要な機会になることから、たとえコロナ禍であっても減らすという選択肢はありませんでした」と、学生事務部長・藤形正俊氏は明かす。こうして4月以降のイベントは完全オンライン開催に切り替え、個別面談や各種講座なども素早くオンラインに移行。大学独自の就活アプリもフル活用し、学生との接触回数を増やしていった。そして結果的に2020年は、民間企業と公務員合わせてイベントを約285回開催。オンラインの手軽さから細かくカテゴライズした少数向けの企画が開催しやすくなったことで、開催回数は昨年度と比べて増加した。例えば、留学経験を就職活動に活かした内定者による対談企画など、学生とリモートで面談を重ねる中で個々のニーズを丁寧に汲み取り、その都度追加していった企画も多いという。また、就職支援講座の映像は後日、アーカイブ配信を実施し、口コミなどをきっかけに後から興味を持った学生の視聴も可能になった。大盛況の『企業セミナー』 企業とのパイプも強みさらにオンライン化は新たな価値を生み出している。その好例が、秋に2カ月間開催する『企業セミナー』だ。これまで企業の人事採用担当者を大学に招いて大教室で行っていたものを改め、オンライン会議システム・Zoomを使用して開催した。これによりチャットを介して双方向型のコミュニケーションが可能となり、企業と学生のやり取りが一層活発化した。企業側からも好評で、オンライン開催ならばと同セミナーへの参加に意欲的な企業が増加。2020年度も大手重工業メーカーや大手総合建設企業、IT情報サービス企業など、多彩な顔ぶれの各業界のトップ企業64社の参加が実現した。(左上)キャリアサポート課には、毎年秋になると『内定者アドバイザー』が日替わりで常駐。IT、金融、ホテル業界など人気業界を中心に内定を得た4年生約30名が、オンラインと対面の両方で学生目線のアドバイス等を行っている。(右上)大学オリジナル編集の企業データブック『企業大研究』と内定者の生の声がつまった就活体験記『COMPASS』を毎年刊行。就活生のバイブルとなっている。(左下)ナビサイト担当者による『オンラインガイダンス』の様子。
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