キャリアガイダンス保護者版2021
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for Parent 2021企業と女子大学が本気で向き合う「自分らしいリーダーシップ」開発共立女子大学/ビジネス学部 Kyoritsu Women's University「リーダーシップ教育」を核に据え、共立女子大学に2020年4月誕生した「ビジネス学部」。時代に即した“自分らしいリーダーシップ”を探求し、養成する独自のプログラムは、協力企業にとっても新しい人材育成の形となりつつある。取材・文/草苅敦子38これからの日本に求められる女性の「リーダーシップ」女性が働きやすい環境づくりはいま、社会全体で進められつつある。少子高齢化によって労働力人口が減少し続ける日本にとって、女性の就業率の引き上げは課題のひとつ。待機児童解消に取り組む自治体、出産・育児からの仕事復帰やキャリア継続など、仕事とプライベートの両立を支援する企業も増え、女性の労働人口は顕著に増加している。その一方で、日本の「女性管理職」の割合は、世界と比較しても依然低い状況が続く。内閣府男女共同参画局のデータによると、女性の管理職が少ないのは、「仕事と育児の両立が困難」であること以上に、「現時点で、必要な知識や経験、判断力等を有する女性がいない」ことを約半数の人が理由として挙げている。日本における女性のリーダーシップ育成は急務であると言える。AI時代をサバイブするための「ビジネス」の知識とスキル共立女子大学は、建学の精神「女性の自立と自活」のもと、専門的知識と高度な技能を修得する職業学校として1886(明治19)年に創立。時代とともに進化しながら、たくましく社会を生き抜く職業人としての女性を育み続け、女性社長も数多く輩出してきた女子大学である。そして2020年4月には、ビジネスに必要な専門知識とリーダーシップを備えた女性を養成する「ビジネス学部」が新たに誕生した。「そう遠くない将来、約80%もの女性が65歳まで働き続ける時代が到来し、その一方で、単純な事務作業はAI(人工知能)に代表される新技術によって代替されることが想定されます。そのため、AIがとってかわれない職種に就くことが重要となります」と、植田学部長は語る。ビジネス学部では、そんなAI時代を生きるビジネスパーソンを養成すべく、ビジネスに必要となる「経営」「マーケティング」「経済」「会計」の主要4分野を学修し、『リーダーシップ開発プログラム(LDP)』をベースとした体験型授業で、修得した知識を〝使える〞状態にしていく。経営・経済の基礎知識をベースに、ビジネスの課題をグループワークで解決していく授業を通して、人間力をビジネス環境で活かしていく能力を育む。(上)「女性を含む多様なお客様が利用する『野家』を実現するための戦略」という課題に対し、学生たちはチームごとにビジネスプランを提案。 (左下)グループワークやポスターセッションを重ね、最終プレゼンテーションに向けてプラン内容を練り上げていった。 (中下)約半年間に及ぶ学生とのプロジェクトを通じて、人材活用のスキルや知識など、企業の社員が得るものも大きい。 (右下)「私たちが社会に出てから学んできたスキルや行動力を、大学教育の中で経験し、実践から身につけることができるというのは非常に羨ましいですね」(渡邊さん)株式会社 野家渡邊 亨 氏

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