for Parent 2021共立女子大学1886年、女性に専門的知識と高度な技能を修得させ、女性の自立と自活の力を育成することを目的として創立。以来、時代の要請に応え、幅広く深い教養および総合的な判断力を培った、社会に広く貢献する自立した女性を輩出し続ける。家政学部・文芸学部・国際学部・看護学部を擁し、2020年4月にはビジネス学部を開設した。●DATA東京都千代田区一ツ橋2-2-1TEL03-3237-5927https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/URL39企業×大学が本気で取り組むリーダーシップ開発PBL『リーダーシップ開発プログラム』は、ビジネス学部開設に先駆け、 2017年から教養教育科目として開講。企業が抱える課題に対して学生がビジネスプランを提案する演習科目として、過去には飲料メーカーやセレクトショップなどと連携してきた。2019年度は、牛丼でおなじみの「野家」と女子大学という異色の組み合わせで、学生と中堅社員のリーダーシップ教育に臨んだ。プログラムはPBL(課題解決型学習)形式で行われるが、一般的なPBLと異なる点は、協力企業が一方とりが役割を果たし、行動していくことの重要性を、学生たちの姿を見て再確認しました」と振り返る。ビジネス学部では、このリーダーシップ開発プログラムを1・2年次の必修科目として実施する。これからのリーダーシップは、チームの先頭に立つ人だけに求められるものではない。「自ら主体的に動き、周囲や他者を支援する」次世代型のリーダーシップを備えた女性たちが、新しい時代のビジネス、そして社会を担っていく。的に課題を提示するだけでなく、企業側の社員もほぼ毎回の授業に出席。学生たちのグループワークに参加し、ともに議論を重ねていく。また、プランの完成度以上に〝プロセス〞を重視することも特徴だ。チームで成果目標を共有し(目標共有)、自ら主体的に動き(率先垂範)、メンバー同士が助け合いチームとしての力を最大化する(相互支援)。この3要素をメンバー全員が発揮し、成果を挙げること、そして「自分らしいリーダーシップとは何か」を探求することが、このプログラムのめざすところだ。約半年間参加した野家 事業推進部の渡邊さんは、「ひとつの目標に向かって、チームの一人ひ「自分らしいリーダーシップ」が多様化するビジネスを支えていくビジネス学部専任講師岩城 奈津 先生 リーダーシップは、当事者が本気になれる課題や環境を与えなければなかなか発揮しないものです。ビジネス学部で実施する『リーダーシップ開発プログラム』は、学生のリーダーシップ教育としての役割だけでなく、協力企業の社員にとってもスキル開発の絶好の機会となるプログラム。企業側にはお互いが本気で向き合えるリアルな課題を提示していただき、それを受けた学生たちは、困難だけれどもやりがいのある課題解決のプロセスを少人数のチームで取り組んでいきます。チームみんなで圧倒的な体験をして、メンバーでそれを一緒に振り返る、そのことに重きを置いています。 私たちの考えるリーダーシップとは、リーダーという特定の役職や人物が発揮するものではなく、チームが目標に向かって進むときに、メンバー一人ひとりが自分の得意分野や強みを発揮していくものと捉えています。いまは階級や役職の少ないフラットな組織や、ホラクラシー型※のプロジェクトも多く、チーム全員でプロジェクトを回していく、というビジネスの形態も増えています。企業も人材も多様化する社会では、このようなチームの中で貢献するための多様なリーダーシップがますます必要になっていくことでしょう。国籍にも性別にも囚われない、学生一人ひとりの個性にあった「自分らしいリーダーシップ」の開発が私たちのめざすところなのです。※ホラクラシー型…トップダウン型とは異なり、決定権を組織全体に分配し、 メンバーが能動的に活動できる組織管理体制● ビジネス学部 学びのしくみ【主要4分野の専門知識】・【リーダーシップ開発プログラム(LDP)】・【立地を生かした企業との連携と実践】を3つの柱とし、4年間を通じて知識の修得と実践、振り返りを何度も繰り返していく。主要4分野の知識は統合化し、「知っている」から「使える」知識に転換。成果目標を共有し、自ら主体的に動き、周囲や他者を支援する「リーダーシップ」を実践的に磨く。ビジネス学部学部長植田 和男 教授マサチューセッツ工科大学博士課程修了(Ph.D.)。東京大学経済学部学部長などを経て共立女子大学ビジネス学部長。経済学博士。
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