キャリアガイダンス保護者版2021
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 大学等へ進むための教育資金は、こども保険や学資保険のほか、積立貯蓄などで準備している家庭が多いようです。しかし、高校入学時や在学中などに取り崩してしまったり、予想外の出費などに使ってしまったりして、計画通りに準備できない場合もあります。 まずは今後、進学費用として必要になりそうな金額を前のページで確認し、今現在、準備できている資金はどれくらいあるかをチェックしてみましょう。 準備した保険や貯蓄で足りそうなら、そのお金は進学先が決まるまで手をつけず、しっかり確保しておくことが大切。高校時代に必要な教育費は、家計から出すか、他の貯蓄から充てましょう。 一方、準備できているお金だけでは足りそうにない場合、不足分はどれくらいかを調べ、これから貯められる金額を検討してください。子どもが高校1年生か2年生なら、実際に初年度納付金や毎年の学費を納める時期まで、結構時間があります。毎月の積立やボーナスから一定額ずつ貯蓄していけば、不足分を補うこともできます。 高校3年生の場合は、これから貯められる時間が少ないため、入学手続き時に必要な初年度納付金だけは手元の貯蓄から取り分けておき、2年目以降に必要な分を少しずつ貯めることを考えましょう。 これから準備しても進学費用にはとても足りない、家計から出すのも難しいという場合でも、進学を諦める必要はありません。奨学金という制度があります。 大学等の在学中に必要なお金の半分くらいは準備できるけれど、全部は難しいという場合も、足りない分だけ奨学金で賄うようにすれば、家計からの負担はぐんと軽くなります。子どもにも話し、利用可能な奨学金を調べてみましょう。 実際に、今は大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用しています。そのうち大半の人は日本学●進学資金をつくるときの考え方●奨学金は大きく分けて2つある日々の家計や貯蓄から準備足りない分は奨学金を検討それでも不足するなら教育ローン大学等への進学にはまとまった資金が必要なため、幼少時から積立貯蓄やこども保険などで準備している家庭がほとんど。そうした資金をベースにして、足りない分は毎月の家計やボーナスから取り分けて、進学資金に充てる。まとまった貯蓄がない場合、2年目以降の学費や、自宅外通学での生活費など、準備した貯蓄や家計からの捻出では足りない場合、奨学金を検討しよう。奨学金にもさまざまなタイプがあり、給付型を利用できれば学費の負担は軽減し、本人の返済負担もない。給付型の受給が難しい場合は貸与型を申し込む。貸与型でも卒業後の返済は教育ローンより負担が軽いことが多い。在学中に家計が厳しくなったり、初年度納付金が足りないときなどは、教育ローンを利用する手もある。奨学金は子どもが利用し、貸与型も子どもが返すが、教育ローンは収入のある親が借りて親が返すことや、借りた翌月から利息が発生する点に注意が必要(在学中は元金の据え置きは可能)。審査から振り込みまで多少の時間がかかるので、必要な時期を考えて早めに申し込む(P64を参照)。家計の見直しなどで、これから貯められる金額を検討しよう。入学手続きまでに、最低でも100万円程度の初年度納付金を準備できれば、進学の目途は立てられる。在学中の費用などは家計から出すか、奨学金を利用する手も。必要な進学費用を調べて用意できる金額をチェック返済がいらない給付型奨学金返済が必要な貸与型奨学金入学前に申し込む無利息入学後に申し込む利息付き日本学生支援機構の給付型は高3の春、大学独自の給付型は出願時などに申し込むといい。入学した大学等で民間団体や大学独自の給付型を調べて申し込む。成績などの条件あり。卒業後に返済が必要だが、利息は付かず元金のみ返す。支援機構や自治体、大学等で実施。卒業後に返済する際、元金に利息を付けて返すが、金利は通常のローンより低め。準備できない進学費用は奨学金で補うことも可能※「高等教育の修学支援新制度」の対象になると、家庭の負担はかなり減少する。住民税非課税世帯は、国公立大学の入学金・授業料がほぼ全額免除になり、私立大学の納付金も減額に。給付型奨学金もあるため、該当する人はそれらで不足する金額を確認しよう。62for Parent 2021

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