キャリアガイダンス保護者版2021
9/66

熊本大学教育学部美術科卒業、岐阜大学教育学部大学院教育学研究科修了。国公立小中学校教諭、熊本市教育センター指導主事、熊本市立向山小学校教頭を経て、現職。『まんがで知る 未来への学び』シリーズ(さくら社)他著書多数。1999年文部省(現・文部科学省)入省。教育課程課係長、島根県教育委員会総務課長、特別支援教育課課長補佐、大臣政務官秘書官、初等中等教育企画課課長補佐、在英国日本国大使館参事官(外務省出向)などを経て、現職。熊本大学教職大学院准教授前田康裕先生文部科学省初等中等教育局 教育課程課教育課程企画室長板倉 寛氏『まんがで知る 未来への学び』前田康裕著/さくら社 より(以下同・一部抜粋)新しい学習指導要領に描かれた「未来」取材・文/笹原風花「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが、成人して社会で活躍する頃には、我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく、また急速に変化しており、予測が困難な時代となっている。」(学習指導要領解説「総則編」より) 生きた課題に向き合い、〝学び続ける力〞を身につける2022年度からの新学習指導要領の実施に伴い、高校教育は今、大きな変化のときを迎えています。なぜ変わるのか、日々の授業や活動はどうなるのか、子どもたちの学びや進路にどのような影響があるのか…。そんな保護者の疑問に、教育課程に詳しい二人の専門家にお答えいただきました。教育はどうなる?など科学技術が発展するなか、これからはより人間らしい力、つまり、AIがもち得ない創造性や協働性といった資質・能力が求められるようになります。このような社会に適合するにはどのような力が必要かを考え、教育や学びについて改めて考えるタイミングに、今まさにあるのです」(前田先生) 「社会の変化は急速に進んでおり、5年先、10年先がどうなるかは予想できません。かつ、〝人生100年時代〞と言われるように、寿命が延び、人生のステージの捉え方も変化しています。20代前半までは学び、卒業後はひたすら働き、60代で定年…という概念も、既に崩れつつあります。未来は不確実だが人生は長い…という前提に立ったこれからの時代において最も重要な資質・能力のひとつであり、これを育むことが学校教育にも求められるようになったのです」(板倉さん) 高校教育や大学入試が転換期にあると聞き、「なぜ、わが子が高校生のときに変わるの?」と不満や不安を感じている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。なぜ、今、変える必要があるのか。背景には、社会の変化に伴う〝生きるために必要な力〞〝求められる資質・能力〞の変化があります。 「物質的な豊かさを求めていた時代、知識をもっていることに価値があった時代は終わり、目的や解決すべき課題を自ら見出し、得られた知識や情報を目的に応じて分析・活用する力が求められる時代になりました。また、AIとき、豊かに生きるために必要になるのが、自分をアップデートして成長し続けることです。その原動力となる〝学びに向かう力〞こそが変化の激しい社会を生きるための資質・能力を問い直す今までとは大きく変わる!?わが子の学びの“これから”を知ろう!9for Parent 2021

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る