保護者のためのキャリアガイダンス2022
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桜山先生は今年度のポスター制作のテーマを「この町のPRをしよう」に決め、準備を進めてきました。まずはポスターのデザインに必要なポイントを生徒に考えさせるため、既存のポスターを知ることから始めます。 「子どもが社会課題に対して当事者意識をもてるかどうか、そこを起点に主体的に学んでいけるかどうかは、保護者の影響も大きいです。保護者自身が社会のさまざまな事象に問題意識をもち、理想に近づくにはどうすればいいかを思考し、親子で対話をすることが大事だと思います」(前田先生) 「学びに向かう力が大事なのは、保護者世代にとっても同じ。保護者自身が人生のどのステージでも学び続け、ときには失敗しながらも、試行錯誤を続けて何度もチャレンジする。そんな姿をぜひ見せてあげてほしいです」(板倉さん) 高校3年間は、子育ての最終ステージ。決定権・主導権を子どもに委ね、自立を促す時期です。「経験を基にしたアドバイスをするだけではなく、〝対話〞によって子ども自身が気づき、言語化する手助けをしてあげてほしい」と板倉さん。「〝対話〞を通して、子どもが何をどう感じたか、どうしてそう感じたかを引き出し、子どもの良いところを伸ばしてあげてほしい」と前田先生。新しい高校教育でも重視される「対話」は、親子の関係性やわが子の自立を考えるうえでも、カギとなりそうです。えればよいのでしょうか。 「学力・成績、授業、進路・進学、就職に至るまで、保護者の方々が10〜20代だったころとはあり方が大きく異なります。当時一般的だった認識や価値観は多くの場面において通用しないことを、まずは理解していただきたいと思います。そして、消費者的な視点で学校や先生を見るのではなく、わが子を自立に向かわせるという同じ目的をもった当事者同士、共に子どもを支えていこうというスタンスで伴走していただければ何よりです」(板倉さん) そして、両氏共に強調したのが、保護者自身のあり方です。12for Parent 2022

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