不安な気持ちを口にしています。部活のことを話したいのかもしれませんね。「俺の気持ちを聞く気がないなら、もう話したくない」という心の声が聞こえてきます。やる気が出ないという気持ちを受け止めずに、立て続けに言いたいことを言っています。子どもの不安な気持ちを、ここでも受け止めずに、自分の心配なことを一方的に言っています。――部活のことばかり考え、勉強に身が入っていないように見えて、親は心配しているようです。 「お母さんは、つい心配なことを口にしたのだと思いますが、『なんかやる気出ない』と言っていますから、『やる気が出ない感じなのね』と、まず、子どもの気持ちを受け止めるほうが効果的です」(瀬川先生)〈おすすめの会話例1〉親「そっか、やる気が出ない感じなのね」(繰り返す)子「そうなんだよ。今年、俺、大会に出場できるかなあ」親「レギュラーになれるか不安なんだね」(気持ちをくむ)子「テスト勉強もしなくっちゃって思ってるよ」(と言うかもしれません)★――子どもも、勉強したほうがいいと思っているのですね。 「お母さんが言っていることは、正論なので、きっと本人もわかっていますよね。わかっていることを、一方的にくどくど言われるからうんざりするのでしょう。 気持ちを受け止めてもらえると、安心し、素直な気持ちになれるのだと思います」(同) 「もし、勉強をしていないことが、すごく気になっているのなら、子どもの気持ちを受け止めたうえで、心配な気持ちを伝えるのが効果的。『わたし』を主語にして、正直な気持ちを話すのがポイントです」(同)〈おすすめの会話例2〉親「ここんとこ、あなたを見ていると、部活のことばかり考えて、勉強に集中できていないように感じるんだよね。部活は応援しているよ。ただ、成績は大丈夫かなと心配になって、つい、あれこれ言っちゃうんだよね」★ 「勉強するしないは、ある意味価値観の問題。『勉強しなさい』と価値観を押しつけるのではなく、経験や大事にしていることを話すのがおすすめです。例えば、高校のときどんな勉強方法で成果を出したか、なぜ勉強が大事だと思うのかなど。ただし、『だからあなたも勉強しなさい』と付け足すのは逆効果です。 価値観に関することは、何度も言わず、覚悟をもって一度で伝えることが大切です」(同)一方的に意見を押しつけられると、うんざりする子どもの立場を理解したうえで 親の心配を伝える価値観に関することはしっかり準備して一度で伝える(母と息子の会話)(息子帰宅)53for Parent 2022
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