保護者のためのキャリアガイダンス2022
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「このお母さんは、何が嫌なのでしょうか。後片付けができないから?何度も呼びに来るのが嫌だから?まずは何が嫌なのかを整理して、核心を伝えましょう」(瀬川先生)〈おすすめの会話例1〉親「呼びに来るのに何回も2階に上がってこなくちゃいけなくて、疲れたわよ」(「わたし」を主語にする)子「ごめん、行くよ」(と言うかも?)★ 「もしかしたら、子どものほうは、 「やりたいことを見つけたと話し始めたのに、『ユーチューバーは職業じゃない』と否定したことで、相手はさっと心を閉じてしまっています。賛成か反対かよりも先に、『そんなふうに考えていることは理解したよ』ということを示しましょう」(瀬川先生)〈おすすめの会話例〉親「へえ、ユーチューバーになりたいと思ってたんだ。知らなかったわ」(まず受け止める)親「どうしてそれになりたいの?」真剣に見ている最中に話しかけられたくないのかもしれません」(同)〈おすすめの会話例2〉親「見てる最中に、あれこれ言われるのは嫌なんだね」(確認する)子「そうだよ。今しか見れないし」親「そっか。今しか見れないんだね。じゃ見終わったら、食べに来て」★ ――「うるせーんだよ」という乱暴な言葉も気になります。 「『そんなふうに言われたらショック』と、そのままの感情を表現してみては? 親もそんな気持ちになるということに気づくかもしれません」(同)(と質問していくと、話題が膨らんでいきそうです)★ 「情報やデータも示さず、なんとなくの印象で否定しても説得力はありません。例えば、子どもと一緒に、その仕事について調べたり、実際にそういう仕事をしている人の話を聞きに行ったりするといいと思います。もしかしたら、親の価値観のほうが変わるかもしれません。 自分が興味をもっていることに親も関心をもち、一緒に一生懸命情報収集してくれたら、親への信頼感も増すのではないでしょうか」(同)(母と息子の会話)(自室で、ベッドに寝ころび、パソコンで動画を見ている子ども。母親が入ってくる)(母と娘の会話)(夕食を食べながら)何が嫌なのかを整理してから伝える否定されると心を閉ざしてしまう親への不信感が表れていますね。何度も言っているのに、行動しない子どもにイライラしているようです。気持ちを受け止めず、頭から否定しています。もし、真剣に動画を見ていたら、うるさいって言いたくなりますね。54for Parent 2022

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