教えて!「大学入試」はどう違う?保護者の時代と2021年度から実施されている大学入学共通テストをはじめとして、大学入試が大きく変わっています。注意しなければならないのは、入試はもとより大学進学をめぐる環境が、保護者世代とは大きく違っていることです。昔の感覚でお子さんの大学入試対策を考えてしまうと、足元をすくわれるかもしれません。高校生活でどのような備えをすればいいのか、考えていきましょう。大学入学共通テストは大学入試センター試験と違って多くの文章を読んで考えながら解かなければならないから大変そうだ、どうやら私立大学などとは別の対策が必要らしい。ニュースなどで見て、そんな印象を抱く保護者の方も少なくないでしょう。事実、共通テストは知識を基に思考力や判断力を問う問題が主として出されるため、センター試験よりも難易度が上がることは、導入前から想定されていました。センター試験時代も含めて平均点が過去最低となる科目が続出しているのも、無理からぬところです。このような出題の背景には、「高大接続改革」という考え方があります。時代の変化に合わせて高校教育や大学教育に変わってもらう必要があり、それに合わせて間にある大学入学者選抜も一体で変えよう、というものです。高校教育は、①知識・技能 思考力・判断力・表現力 的に学習に取り組む態度「学力の3要素」を育成するものとされています。大学入学者選抜でも3要素すべてを評価し、入学後の大学教育でさらに伸ばして、社会で活躍できる卒業生を輩出してもらおうというのが、高大接続改革の理念です。ここでは「大学入試」と言わず、あえて「大学入学者選抜」という言葉を使いました。これからの大学入学者選抜は、ペーパーテスト一発という「入試」のイメージを変えることが求められるからです。③主体というどAO入試が拡大し始めたころだったと思います。一方、高大接続改革では、AO入試は「総合型選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」、さらに一般入試も「一般選抜」へと、名称を変えました。AO入試が登場したころ「一芸入試」と呼ばれるような形態もありましたが、あくまで多様な選抜方法を保護者世代の学生時代は、ちょう取り入れることによって、意欲ある学生を選抜しようというのが本来の趣旨でした。一方でAO入試は、学力の3要素のうち知識・技能を十分に問わない「学力不問入試だ」と指摘されることも、しばしばありました。そこで高大接続改革では、たとえ一般選抜であっても学力の3要素すべてを評価して選抜するよう、大学側に求めました。逆に総合型選抜や学校推薦型選抜でも、共通テストや小論文・口頭試問などを使って、知識・技能や思考力・判断力・表現力を活用することが義務づけられています。そんな高大接続改革を見据え、多くの高校では近年、思考力・判断力・表現力をはじめとして学力の3要素をバランスよく伸ばそうと努力してきています。中学校までの「総センター試験から「共通テスト」へ「入学者選抜」学力の3要素が問われる ― ― ―② 教育ジャーナリスト 渡辺敦司教育専門誌を中心に、教育行政から実践まで幅広く取材・執筆。Webサイト「リクルート進学総研」に「教育トピック 教えて!」シリーズを連載。forParent 202334教育ジャーナリストが最新解説
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