これからのために、やるべきことを。より良い未来をつくる実学教育千葉商科大学 Chiba University of Commerce国内の大学で初となる自然エネルギー100%大学千葉県野田市に広がる、メガソーラー発電所。約4・7haもの広大な敷地に、無数の太陽光パネルが広がっている。脱炭素への対策として自然エネルギーへの期待が高まる中、「大学が使うエネルギーを、大学で創れるか?」をテーマとして、2014年からこの挑戦が始動した。2014年度の発電実績は336万kWhで、これは学内電力消費量の77%に相当した。不足する23%をキャンパス内の省エネと創エネで賄えば、自然エネルギー100%が実現する。2015年には学外専門家の協力も得て、その可能性を調査。この活動を主導してきた原■■■科■幸彦教授は2017年、学長に就任後、これを学長プロジェクトのひとつに位置づけ、全学的な取り組みとして「自然エネルギー100%大学」をめざすことを決意した。その実現に欠かせない柱が3つある。発電所やキャンパスにおける太陽光パネルの増設や照明のLED化といった「ハードウェア」の整備、電力の見える化や制御を支える「ソフトウェア」の導入、行動につながる意識である「ハートウェア」の形成だ。ハートウェアづくりで大きな役割を担っているのが、学生団体SONEである。「学生に無理をさせない省エネ活動」を理念として、学生目線で様々な省エネの取り組みを企画・実施。学内電力消費量の削減に貢献すると共に、省エネの意識や行動を全学生・教職員に促している。参加学生は年々増え続け、その輪は今や学内外に広がっている。2019年、ついに再エネ発電量と消費電力量が同量となる「自然エネルギー100%大学(電力)」を達成。この活動は各界で評価され、地球温暖化防止活動環境大臣表彰、省エネ大賞、さらに新エネ大賞等も受賞し、令和2年度版環境白書において取り組みが紹介された。現在はこの活動を学外へ広げ、脱炭素社会を実現する取り組みを進めている。2021年には、自然エネルギーの活用等を通じて大学活動に伴う環境負荷を抑制し、脱炭素化をめざす「自然エネルギー大学リーグ」を発足。原科学長が中心となりスタートしたこの活動は、現在19大学の学長が参加するまで広がっている。より良い未来をつくる千葉商科大学の挑戦は、まだまだ続く。〈右上〉メガソーラー野田発電所には、太陽光パネルが計11,642枚設置され、パネル容量は約2.88MWを誇る(2018年度)。〈右下〉キャンパス内で打ち水を行い、電力に頼らない涼しい過ごし方を実感してもらうことで、省エネ意識の醸成と節電行動の促進を目的とする「打ち水で涼しく大作戦」。SONEのメンバーをはじめ、毎年数多くの学生や教職員が参加している(2022年度)。 〈左下〉SONEのメンバーが中心となり、教室の壁に断熱材を新たに入れ二重窓の設置を行うことで、キャンパスをエコ仕様にDIYするワークショップ「InSONEtion」を実施した(2022年度)。取材・文/加藤桃子for Parent 202346創立以来の伝統である「実学教育」を通してより良い未来に貢献するため、千葉商科大学(CUC)では「社会が必要とする大学」であり続けるための取り組みを全学的に推進している。ここではその一部を紹介しよう。
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