親子で話をすると、つい、もう少し現実を見ないと…などと たくなることもあるはず。思わ諭したくなりそうですが、大事なのは〝〜したほうがいい〟という言葉や、相手を否定する言葉を言わないと心に決めることだそう。「ほかの人になら言わないけれど、自分の子どもだからこそ『それよりもっと大事なことがあるでしょ? ず口に出すと、子どもは『自分のことを聞いてくれない、わかってくれない』と感じるので、うっかり親子でバトルが始まってしまいます。これからを生きる子どもの人生ですから、親が答えを知っていると思わず、親としての願望も少し傍に置いて、まず、子どもの言った言葉を受けとめる。まっさらな気持ちで子どもと向き合うことを心がけてみてください」宿題やった?』などと言い好きなものなら夢中になれる。しかし、その〝好き〟や〝何なら夢中になれるのか〟がわからず悩む高校生は少なくありません。変動の激しい時代だからこそ、自分の軸を信じられる力が大切だと朝山あつこさんは語ります。「大人は『これくらいのレベルの学校や企業に入れると安心だね』などと、社会のほうを見て話しがち。ですが、社会を軸に生きていくと、社会や周りに合わせて自分を変えなければならない。それで自信を失い、苦しくなってしまう子どもも多いです。子ども自身がわくわくすることがわかれば、自ずと夢中で探究し始める。それが必ず自身の進路決定にもつながっていくはずです」(朝山あつこさん、以下「」内同)子どもの言葉を否定しない子どもがもつ興味・関心や、探究の原動力となるものは何なのか。親子で一緒に考えてみてはいかがでしょう。子どものためのキャリア教育に取り組むキーパーソン21に取材し、対話のヒントや親子でできるワークを教えてもらいました。取材・文/塚田智恵美 小さいときには、自分の〝好き〟や〝なりたい〟を話せる子どもたち。しかし、花形の職業しか見ていないために挫折したり、SNSなどでマイナスの情報ばかり見聞きしたりしているうちに、自分のエネルギーのぶつけ先を失って、自分自身を肯定的に捉えられなくなる子も。朝山さんいわく「もともと主体性がない子どもは一人もいない。大人たちから『社会は厳しいから〜したほうがいい』と決めつけられ続けると、自分の『〜したい』がわからなくなるだけです」誰もが備える、わくわくして動き出さずにいられない原動力「わくわくエンジン® 」を発見し、これをキーワードに活動を展開する。2005年、日経WOMAN主催「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2005」クリエイティブ部門受賞。3人の息子の母親。著書に『ふつうの主婦が見つけたやる気のエンジンのかけ方』(高陵社書店)。forParent 202418認定NPO法人キーパーソン21代表理事朝山あつこさん
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