キャリアガイダンス保護者版2024
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リアルな体感で就活の熱量を上げ、企業を見る目を養うキャリア支援國學院大學 Kokugakuin University 就活の早期化にいち早く対応企業理解を深める支援がカギ 優良企業との重要な「接点」となる『企業セミナー』 コロナ禍からの回復を経て多くの企業で採用意欲が高まり、2023年度卒業生の就職活動は好調に推移した。國學院大學学生事務部キャリアサポート担当次長の木村都氏は、その傾向を次のように語る。「今年度の卒業生はコロナ禍で企業とのリアルな交流が少なく、働くという実感を持ちにくいまま就職活動を進めました。学生優位の『売り手市場』ではあったものの、どの企業を選べば良いかという判断が学生には相当難しかったようです」。國學院大學のキャリア支援では、学生たちに企業の「リアル」を提供し、働くことへのモチベーションを高めていくことを大切にしてきた。コロナ禍での就職活動が、図らずもその重要性を浮き彫りにする形になったといえる。さらに企業の採用活動も、早期化が一段と加速する。「本学では早い段階から企業を見る目を養う大切さを伝えてきたことで、1年次からインターンシップに参加する学生が顕著に増えていますが、それでもまだ一部に限られています。そこで多くの学生にとって、企業のリアルに触れる最初のステップとなるのが『企業セミナー』です」毎年秋に学内で開催する『企業セミナー』は、國學院大學が学生と優良企業との重要な接点と位置付ける注目のキャリア支援の一つだ。23年度も大手総合建設企業や出版社・メーカーをはじめとする多彩な顔ぶれの68社が登壇し、延べ約2000名の学生が参加。近年は1・2年生の参加率が増加傾向にあり、採用活動の早期化を受けて開始時期も従来の10月から9月へと早めている。特に注力するのがBtoB企業の紹介だ。大規模事業を手掛ける世界的な優良企業がひしめく業界でありながらも、BtoB業界は学生にはいま一つ馴染みが薄い。そこで同セミナーでは、BtoBの現場を熟知する企業担当者にビジネスの醍醐味や最新動向を語ってもらうことで、学生たちの知的好奇心を喚起し、業界・企業選びでの視野を広げさせることを狙う。「『企業セミナー』は学生たちに強くアピールしていることもあり、ご参加いただいた企業の担(左上)学内のキャリアサポート課には、毎年秋になると「内定者アドバイザー」が日替わりで常駐。IT・金融・商社といった人気業界を中心に内定を得た4年生約30名が、自身の経験をもとに学生目線のアドバイスなどを行っている。(右上)就活のポイントや先輩のリアルな就活体験記を集めた『就活パーフェクト手帳』、優良企業を網羅した『企業大研究』などを毎年刊行。就活生のバイブルとなっている。(左下)『業界別体験イベント』では、普段は目にすることのできない現場の内部やバックヤードなどの見学を通じて、仕事をより深く知ることができる。取材・文/酒井 摂forParent 202438「リアル」をキーワードに学生たちが働くことのイメージを具体化し、就職活動へのモチベーションを高めていく。そんなキャリア支援を掲げてきたのが國學院大學である。同学学生事務部キャリアサポート担当次長の木村都氏に話を伺った。

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