キャリアガイダンス保護者版2024
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が実践されているが、高校生にはあまり認識されていない。一方で、技術の開発やシステムデザインなどに携わる「理系」の人材にも、人々の文化や社会の仕組みを理解することが求められている。大学としても文系・理系の枠を超えた教育・研究に取り組む必要があると考え、入試から変えていくことを決断した。「高校生の中には、『情報技術を学びたいが、数学が苦手な自分は試験に合格できないだろう』とか、『将来はものづくりに携わりたいが、物理を選択しなかった自分はあきらめるしかない』と考える人もいる。新しい入試制度で挑戦の機会を広げたい」と、小川学長は言う。当然、理工学の専門分野を学ぶには、数学や物理の基礎が欠かせない。入試制度を整えると同時に、理工系の基礎学力構築を目的に、高校で文系を選択していた学生向けに初年度教育も充実させていく方針だ。して実学教育に軸足を置いている。カリキュラムには、実務経験を積んだ教員から指導を受ける実習や、第一線で働く企業人による特別講義を数多く設置している。加えて、企業や地域と連携して行う課題解決型科目や、「市民・地域共同発電所プロジェクト」などの課外プロジェクトも豊富だ。多様な業界で活躍する約10万人の卒業生との強固なネットワークが、この充実した実学教育を可能にしている。新3学部では、課題解決型科目を必修にするなど、大阪産業大学は、創立以来徹底実学教育をさらに整備・発展させる。実業的な知識・技術とその応用方法はもちろん、失敗を恐れず挑戦する力、チームで協力する力、考えを伝える力、自ら学ぶ力など、これからの産業界を担う人材に欠かせない力を、実践を通して育んでいく。同大学が掲げる建学の精神は、「偉大なる平凡人たれ」である。名誉や地位を求めるよりも、人と社会に貢献することに喜びを感じる人材の育成に、実直に取り組んできた。産業界の現場の声に耳を傾け、学生一人ひとりの成長に目を配りながら、地道に教育・研究活動を行ってきた同大学が起こす大きな変革に注目したい。一層の充実をめざして伝統の実学教育43理工系3学部の開設をはじめ、大阪産業大学の改革をリードする小川和彦学長。●DATA〒574-8530 大阪府大東市中垣内3-1-1TEL072-875-3001(大阪産業大学入試センター)URLhttps://www.osaka-sandai.ac.jp/for Parent 2024理工系学部のほか、文系学部である国際学部、スポーツ健康学部、経営学部、経済学部を擁する総合大学。実学教育を重視し、文系・理系の学生が協力して企業や地域社会の課題を解決する「プロジェクト共育」などを展開する。知識や技術を社会に生かす学びを通して、実践力をはじめ、コミュニケーション力、積極性、協調性などを育成。社会の発展に寄与できる優秀な産業人の輩出をめざす。大阪産業大学

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