なるのがチュートリアル教育と総合学修支援となります」。専門的な訓練を積んだチューターが、学生一人ひとりの学びと成長を支える〝総合学修支援者〟として授業内外でのフォローを実施。また、授業では教員とタッグを組み、学生の自主的な学びを指導・促進。授業時間外も質問や相談を受け付け、学修アドバイスを行うなど、学生が学修習慣を身につけるまで、チームによる手厚いサポートが続く。「二つ目は『学びの専門性』と『社会人基礎力』の統合。各学科の専門的な学びと全学共通の学びから資質や能力を育み、いかに社会接続させていくかは常に考えています」と山内氏。中でも、現代に不可欠なデータサイエンス教育は、全学共通教育の必修科目に設定。基礎的な情報リテラシーの習得から、産官学連携による社会の課題解決まで実践的に学修する。データをもとに考え、行動し、知識集約型社会で価値を創造できる人材の育成をめざす。「また、『一人深く探究すること』と『仲間とアクティブに学ぶこと』の統合も本学の特長であると考えます」。個別の学修と、フィールドでの実践が循環する前述のスムージー店の運営も、この統合を象徴する学びの一つと言えるだろう。一人ひとりの学修を手厚く支援し、段階的に成長へ導くカリキュラムの中で、理論と実践、教室とフィールドの往来から自律した学修者を育てる大正大学。学生の学びの場となる〝地域〟とのつながりも大きな特色の一つだ。大学の拠点であり、いつも高齢者でにぎわう巣鴨の街には、大学が運営する店舗や施設がいくつも点在。全国に5つのエリアキャンパス・サテライトキャンパスを展開し、自治体や大学、団体、企業等との連携により学びのネットワークは今なお日本中に広がり続けている。「仏教精神を出発点とする本学にとって、地域を守ることは、日本全体とその精神文化を守ることにもつながります。より良い未来のためにも、地域に貢献し、地域から支持される大学でありたいと考え、地域との関係を深めています。この全国のフィールドでの学びを通じて、社会の課題解決ができる人材、そして予測不能なこれからの社会をたくましく生き抜いていく人材を育ててまいります」地元も地方も「学びの場」全国に広がる学びのフィールド47(左)商品企画チームは、巣鴨の青果市場の人々に新商品のアイデアを相談したり、事業者として直接商談したりしながら、調達から試作、販売までをスケジュール管理。(中央上)調達した規格外の食材はスムージー店へ。(右上)「桃のスムージーが飲んでみたい」といったお客様の声も大切に、メニュー開発やイベント企画をしている。(右下)売上推移や顧客の年齢層などはデータ分析を行い、宣伝ツールやキャンペーンを検討。学生のデザインスキルやデータ分析力は格段に向上した。●DATA〒170-8470 東京都豊島区西巣鴨3-20-1TEL03-3918-7311(代表)https://www.tais.ac.jp/URLfor Parent 2024大正大学副学長(教学担当)文学部 日本文学科教授山内 洋氏1926(大正15)年、建学の理念「智慧と慈悲の実践」のもと仏教連合大学として創立。巣鴨の街全体をキャンパスととらえ、地域・企業と連携しながら実践的な学びを深める場となることをめざす「すがもオールキャンパス構想」を推進。地学協働によるひとづくり・まちづくりを実践している。2024年4月より、地域創生学部、人間学部、臨床心理学部、表現学部、文学部、仏教学部の6学部11学科に改組。大正大学
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