「働く」についての考え方や社会環境は、近年大きく変化しています。今の若手社会人はどのような状況にあり、仕事や働くことに対してどのような感覚をもっているのか、これから社会に出ていく高校生・大学生には何が必要なのか、次世代社会のキャリア形成を研究する古屋星斗さんにお聞きしました。若い世代の「働く」を紐解くうえで押さえておくべき今の時代の特徴について、最初に古屋さんが挙げたのが、人生における選択の回数が増えていること。「かつては大学進学と就職が人生における大きな2回の選択であり、そこでいい大学に入り、大きな企業に入ることができれば、幸せな人生を送ることができる可能性が高かった。しかし、そのような時代はもう終わった」と言います。「新卒で入社した会社でキャリアを全うする可能性は極めて低い、という事実が広く認識されるようになったことが大きいでしょう。実際、入社から3年以内で30%ほどが既に転職を経験しています※1。かつては中小企業に比べて早期離職率が低かった大企業でも、近年は早期離職者が増え、大企業の新入社員を対象に行ったアンケート調査では、『定年・引退まで働き続けたい』と回答した人は20%ほどに過ぎませんでした(図1)。新卒時にどの企業に就職するかだけでなく、転職、副業・複業、Uターン・Iターン、育休、介護離職、学び直しなど、無数の転換点があり、選択のタイミングがある。その結果として、新卒時の就職は人生を決める一大事ではなく、最初の選択に過ぎなくなっているのです」最初の選択で重要なことは、「ど8 こに就職したかという結果ではなく、選択を通してどのような経験をしたかという過程」と古屋さん。自分は何をしたいのかを考え、そ終身雇用の時代は終わり、人生の選択の回数が増えるforParent 2025ふるや・しょうと●一橋大学大学院社会学研究科修了後、経済産業省入省。産業人材政策、投資ファンド創設、福島の復興・避難者の生活支援、政府成長戦略策定に携わる。2017年より現職。専門は労働市場分析、未来予測、若手育成、キャリア形成研究。一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事。法政大学キャリアデザイン学部兼任教員。近著に『会社はあなたを育ててくれない』(大和書房)。取材・文/笹原風花図1リクルートワークス研究所主任研究員古屋星斗さん
元のページ ../index.html#8