「CSR(企業の社会的責任)」という言葉を聞いたことはありますか?その取り組みの一つに、不祥事防止があります。データの改ざん、欠陥商品、重大事故が起こると、その原因として利益優先、安全性軽視、倫理観の欠如などの批判が上がります。しかし、実際に企業の現場を訪れ、話を聞いてみると、意外にも当事者は意図的ではなく、問題がないと信じて行動している場合があります。そこには、組織の盲点や個人の錯覚などがあるのです。批判で終わらせず、なぜそう思ってしまったのかを明らかにすることが問題解決につながります。大切なのは、物事を一面的に捉えるのではなく、さまざまな視点を持つこと。そのために現場を知ることは重要です。私自身も研究にとどまらず、企業と共に不祥事防止を目的にしたさまざまな取り組みを行っています。
企業での講演やビジネスに関する会議で発言する機会も多く、さまざまな企業の方々とも話しています。
自治体や地域、企業と連携した学びは関東学院大学の特色です。その代表といえるのが、経営学部の「k-biz」。学生が発案したビジネスプランを、サポーター企業とのコラボレーションで実現していくプロジェクトです。小山ゼミが参加している「K-bizマルシェ」は、三浦半島で採れた地産物を学生自ら仕入れ、京急百貨店で販売します。小山先生が重視するのは学生の自主性。マルシェのテーマ設定も、打ち合わせのための企業への連絡も、すべて学生が行い、学生同士でフォロー。自ら考え、動くからこそ、学ぶことがたくさんあります。
三浦半島の魅力を学生の力で多くの人に紹介したいという思いから始まったプロジェクト。
課題は教科書の中にはありません。社会にあります。しかし、課題を解決するためには、現場を経験するだけではなく、本を読んで理論を学ぶことが必要です。この両方が揃って初めて社会で活きる知識が身につきます。
専門分野: 経営学 「企業と社会」論、企業不祥事の研究。
経営学部長、経営学部教授 /博士(商学)
過去の講演テーマ: 企業不祥事とコンプライアンス、企業不祥事とCSR、企業不祥事を起こさないために。
主要著書: 『CSRのマネジメント』(単著)、『問いからはじめる現代企業』『現代CSR経営要論』『経営学総論』(共著)他多数
サステナブル・ブランド国際会議2019東京に参加。
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