外国人留学生の気持ちを想像してください。駅の案内看板や博物館の解説プレート、役所に提出する書類を、彼らはスラスラ読めると思いますか。もしかしたら、難しい漢字や言葉づかいに苦戦するかもしれませんね。本来の意味を損なうことなく、日本語初心者でも分かる文章をつくるのは、意外と難しいものです。私は、分かりやすい日本語の話し方や書き方について研究しています。外国人にとって分かりやすい日本語とは、日本人にとっても分かりやすい日本語だと言えます。企業に就職した卒業生の中には、「専門用語をお客さまに説明するとき、日本語学科で得たスキルが役に立った」と話す人もいます。外国語として日本語を見れば、日本語を上手に使いこなす力も身につきますよ。
共同執筆した教科書です。わかりやすい日本語で、日本語を教えたい人に向けて文法の説明をしています。
『実践日本語教育I』では、初級の日本語学習者に日本語を教える方法を学びます。英語などを使わず、日本語で日本語を教えるためには、専門技術が必要です。たとえば、外国人にも分かりやすい話し方をする技術、絵や写真を教材に使用する技術、文法の知識をもって分かりやすく状況を示す技術など。学生はそれを学んだうえで、模擬授業に挑戦します。「『良い授業とは何か』を自ら考え、学び取り、実践できるように促したい」と言う坂口先生。その教室では、お互いの授業について意見を交わし、積極的に学び合う学生たちの姿が見られます。
教師役の学生は、学習者の表情や反応から理解度を読み取り、それに合わせて授業を行うように努めます。
日本語学科は、日本語を学ぶ大勢の留学生と交流できる学科です。そして、日本語教師は日本語を使って世界中の人とコミュニケーションができる仕事です。日本語を通して国際的な経験がしたい方は、ぜひ日本語学科へ!
日本語教師としてロシアを訪問したときの写真。「日本語を学ぶ現地の学生がロシアを案内してくれました」。
専門/日本語学、日本語教育
略歴:奈良教育大学 教育学研究科 国語国文学専修 修士課程修了(教育学)。大阪府立大学大学院 人間文化学研究科博士後期課程で学ぶ。
大学は文学部だった。3回生のときに中国へ短期留学したことがきっかけで異文化に魅了され、いろいろな国の人と関わることができる日本語教師を志すように。修士課程修了後に韓国の大学で日本語を教えた後、博士課程に進んだ。
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