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私立大学/東京

コクサイキリストキョウダイガク

さまざまな分野の学びが、将来の選択肢を広げた

静岡北高等学校
教養学部4年 戸塚 健斗(メジャー:情報科学)
※学年は、取材時のもの

―幅広い学びを得られるリベラルアーツ教育に惹かれて

 高校生の時は理系で物理などを学んでいたのですが、大学で物理を学ぶとなると理学部の物理学科や工学部の物理学科などさまざまな選択肢があり、どの学部にするかを決め切れていませんでした。同時に、文系の学問分野にも興味があったので、いろいろな分野を学んでみてから専攻を決めたいと思い、さまざまな分野の授業を受けたうえで2年次の終わりに専攻を決めることができるICUを選びました。また、高校では教科としての英語を学んできましたが、ICUではELA(リベラルアーツ英語プログラム)などで学術的に英語を学ぶことができると聞き、その点にも惹かれました。


―フィリピン留学で見えた途上国の現実

 大学2年生の夏にネパールに行き、2015年の地震で崩れた小学校を再建する、Project Abroadという団体主催のボランティアに参加しました。実際に発展途上国に行ってみると、日本に比べると生活はしづらいですが、そんな中でも現地の人たちの優しさ、明るさ、前向きさがとても印象的でした。現地を訪ねたからこそわかったことがたくさんあったので、他の新興国も実際に訪ねて、現地の人と同じ目線で社会を見てみたいと思うようになりました。
 そこで、ACUCAプログラムという、アジアの8つの国のキリスト教主義高等教育機関から集まる学生たちと異文化交流ができるプログラムを利用して、大学3年生の9月から12月末までフィリピンに留学しました。留学生活の中で印象的だったのは、貧富の差が目に見えるかたちで現れていたことです。留学中はデ・ラ・サール大学というキリスト教系の私立大学に通っていたのですが、大学には裕福な人が多かったのに対し、一歩外に出るとストリートチルドレンがいたり、大学付近のカフェにはお金をねだってくる子どもがたくさんいたりしました。その様子が衝撃的でしたし、自分にはできることが何もないことがもどかしく感じました。ただ、現実を見たからこそ、現地での発展の意味を真剣に考えるようになりました。数字だけ見て、成長率が高いとしても、実際の生活を見てみるとその恩恵を受けられない人もたくさんいます。このときの経験から、将来自分が途上国に関わる仕事をする際には、平等であるかどうか、取り残される人がいないかということを考えなければならないと思うようになりました。
 卒業後は自動車メーカーに就職予定なので、自動車づくりの観点から現地の交通インフラの解決に取り組むなど、途上国の発展に貢献していきたいと思っています。


―情報科学メジャーでの学び

 メジャー(専修分野)を決めたのは2年生の冬学期でした。それまでは自然科学分野に興味があったのですが、情報科学実験という授業の課題がとても考えさせられるチャレンジングなもので、面白いと感じたことがきっかけで情報科学に興味を持つようになりました。先生方も熱心に相談に乗ってくれましたし、それまでにもさまざまな分野の授業を受ける中で自分の興味について深く考えてきたので、自信をもってメジャーを選択することができました。
 情報科学と聞くと複雑なプログラミングコードを書いたり、最先端のVRやARの開発をしたりする学問だと思われるかもしれませんが、それらはほんの一部に過ぎません。ICUの情報科学メジャーでは、コンピュータがどのように1と0の表現だけで動くのかという基本的なことから、最新の技術がどのように応用されているのかまで幅広く学ぶことができます。また、さまざまな分野を専門とする先生がいるので、自分の興味にあった分野を見つけられると思います。
 卒業研究は「国際基督教大学キャンパスにおける有形文化財の三次元デジタルアーカイブの試み」というテーマで、複数の画像から立体的な形状を推定する技術を用いて、ICUの建造物を対象に研究、実証を行いました。卒業論文指導教員の尾崎先生からの提案でこの技術を知ったのですが、色々調べるうちにこの技術が抱える課題の存在を知り、卒業研究を通してその解決に取り組みました。具体的には、パソコンのソフトを使用して立体的な形状を作っていくのですが、高価な商用ソフトはとても精度が高い一方、ソフトウェアの中でどう言った解析が行われているのかが明確に公開されていないという問題です。
 価値のある財産の保存の場合はそのテーマがどのようにして作成されたのかが分かる方がデータの客観性が高いと考え、どういう解析が行われているのかが明示的に示されていて、無料で利用できるものが多いオープンソースのソフトウェアを組み合わせて使用して研究を行いました。卒業研究を始めるまで解析用のソフトにも触れたことが無かったので、一から勉強するのは大変でしたが、商用のソフトを使用されている情報学メジャーの先生に相談に乗っていただいたり、尾崎先生からテーマに関連する論文を紹介していただいたりしたおかげで、1年間で多くのことを学ぶことができました。留学と卒業研究でそれぞれ別々の興味分野を追求することができたことも、ICUだからこそ実現できた学び方でした。

(記事:ICU学生記者 井上 海南子)
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戸塚さんは、2020年度Friends of ICU学術奨励賞「理学奨励賞(学部生)」を受賞されました。大学ウェブサイトで受賞者コメントをご覧いただけます。

▼大学ウェブサイト: https://office.icu.ac.jp/giving/friends_of_icu_2020.html

▼卒業論文タイトル:
 国際基督教大学キャンパスにおける有形文化財の3次元デジタルアーカイブの試み
An attempt to construct three-dimensional archive of tangible cultural properties on the campus of International Christian University
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留学先のフィリピンにて、授業のグループメンバーと共に
国際基督教大学(私立大学/東京)
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