現在、授業で『応用栄養学』を中心に教えるとともに、「味覚」について研究しています。味覚には個人差がありますが、同じ人でも朝と夜、日によっても感じ方が異なるなど、体調や環境の影響を受けやすいもの。「おいしさ」についても、何をおいしいと思うかは人それぞれ違います。そこで、ヒトの味覚感受性を測定する心理物理学的研究と、食品の性質を測定する食品物性の研究の両面から「おいしさ」を解明する実験を重ねています。主観的な値を客観的評価としてどのように表すかが大きな研究テーマで、ヒトと食品の二つの側面から「おいしさ」を追究しています。
食品開発学科の授業では、『食品物性論』『官能評価学』『おいしさの生理学』を担当します。これまで行ってきた研究テーマそのものを教えられることを嬉しく感じています。
ゼミで研究開発し、商品化された「にんじん畑ドレッシング」と「ごぼう畑ドレッシング」
小林教授のゼミでは、科学的な視点から「食」を研究・分析します。これまでに、「アレルギーフリーパンの創製」「緑茶やコーヒーにおける飲料の味に、苦味や渋味がどのように影響しているか」「快状態や不快状態などの気分変容によって、味覚感受性がどのように変化するか」などの研究を行いました。文部科学省「地(知)の拠点整備事業」予算のもと、新座市の地産野菜を使ったドレッシングの研究開発では商品化し、販売されるまでに至っています。新設の食品開発学科においても、多様化する食に対するニーズに応える研究に取り組みます。
実践的に学べる環境で、新たな食品を創造・開発・提供できる“理系・開発女子”を育成します
食品開発学科では、多くの企業との連携授業やインターンシップがあり、幅広く食品開発について学ぶことができます。実験や実習が好きで、何かを作りたい!という意欲のある方にぜひ来ていただきたいです。
料理やお菓子づくりが好きで「調理を科学的に解明したい」と思い、大学で食物学を専攻したという小林教授
専門:食品物性論、食品のおいしさ、官能評価学
略歴:日本女子大学家政学部食物学科卒業後、日本女子大学大学院修士課程修了、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科博士後期課程修了。日本女子大学助手、十文字学園女子大学専任講師、准教授を経て、2013年より十文字学園女子大学人間生活学部食物栄養学科教授、大学院人間生活学研究科教授。2020年より人間生活学部食品開発学科長に就任。
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