私の研究テーマは、看護師という職業を選択した人々が働き続けるために、職場の環境をどのように整えればよいかを探求しています。現役の看護師のみなさんへのインタビューを中心に調査を行い、統計をとってまとめています。女性が全体の9割を占める看護職は、出産や育児などのライフスタイルの変化を機に仕事を辞める人もいます。私自身が看護師として現場で働いていた時にも辞めてしまう仲間が少なくなく、この研究に取り組むきっかけになりました。例えば、看護師向けの勉強会は夜に開かれることが多いのですが、子どもがいる人でも出席できるように時間を調整するなどの工夫が可能です。自分の調査・研究を、子育てをしながらでも看護師を続けられる環境づくりの提案につなげていきたいと思います。
研究、教育など、さまざまな観点から、看護師をサポートしています。
シミュレーション教育に定評がある聖徳大学の看護学部。滝先生の授業では実際の病院と同じような演習室で高性能シミュレータ(患者ロボット)などを用いてトレーニングを行う。“患者さんの呼吸が苦しくなった”、“2名の患者さんを受け持った“など、様々な設定がテーマとして出され、学生たちはどのように対応すればいいのかを自分たちで考え、実践。終了後は、その様子を観察していた他の学生たちと討論する。うまくいくかどうかが重要ではないと滝先生は言う。「みんなで振り返り、実際の現場で活きる力を身につけることが大事です」。
学生同士で実習を振り返る授業では考える力やコミュニケーション力が磨かれます。
看護職は、病とともに生きる人やその家族を支える専門職です。生涯を通して活躍し続けることができ、目の前の人と真摯に関わることで、人としても成長することができます。そんな看護について一緒に学びましょう。
自治医科大学看護学部看護学科卒業。同大学附属病院に看護師として就職し、脳神経センターに5年間勤務する。この時に看護の現場で経験したことが、研究の道に進むきっかけとなる。聖隷クリストファー大学大学院で学び、看護学研究科看護学専攻博士前期課程を修了。現在も大学で看護師を育てるかたわら、たくさんの看護師の声を聴き、まとめることで、看護師が安心してずっと働ける環境について研究している。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。