歴史ある天然物化学の研究ですが、まだまだ未知の可能性を秘めています。自然豊かな静岡の海洋・陸上の生物資源から未知の化学物質を探索している鎌田先生と学生に、研究室の学びについてお話を伺いました。
天然物化学研究室では、苔類など天然の生物が持つ、天然有機化合物の探索と構造解析をおこなっています。その化合物を活用し、農薬や塗料、医薬品の開発に向けて基礎研究をしています。学内の分析センターには高性能の機器が揃っており、分析や構造解析の技術を磨けます。また、研究対象となる生物資源の採集活動も研究の一環。未知の化合物に出会うことを夢見ながら、調査を進める推進力なども身に付きます。
天然物化学の研究を通じて未だ利用されていない資源が身近に存在することを学びました。現在は、海洋天然化学の中でも紅藻ソゾに着目して研究をおこなっています。国際化学論文を公表し、学会で研究成果を発表したことが自身の力になりました。卒業後は、国内大手の化学・医薬品メーカーの研究開発職に内定しています(2021年10月時点)。大学で研究したことは、農薬・抗菌薬など医薬品分野への応用ができるのではと考えています。
軟体動物のアメフラシから抽出した化合物に、コクゾウムシという害虫を忌避する効果があるかを探索しています。もともと食品に興味があったのですが、化粧をするようになり文部科学省後援「日本化粧品検定」の勉強をするうちに、化粧品や医薬品分野に興味が湧きました。卒業後は、医薬品関連企業の技術系総合職に内定しています(2021年10月時点)。将来は、敏感肌の自分でも安心な天然由来の化粧品を開発できたらと思います。
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