水と油、大気と雲滴といった様々なモノの境界(界面)が非平衡状態の時に起こる現象に注目し、界面化学、大気環境化学、超音波化学などの研究を行なう南齋先生と学生に、研究室の学びについてお話を伺いました。
我々の身のまわりでは、様々な科学的現象が常に起こっていますが、その原因について明らかになっていることは、実はほんの一握りでしかありません。我々の研究室では、研究を通して起こった現象について、とことんまで「なぜだろう」と考えるため、思考力が備わります。また研究室ゼミでは結果について全員で議論。コミュニケーション力や傾聴力も養われます。
現在は卒業研究に携わり「油水界面における光学異性体が示すキラリティ特性の違い」について研究しています。これまで、この光学異性体の油水界面における物性は同じであると考えられてきましたが、界面電位に違いが生じることを世界で初めて発見しました。光学異性体は、医薬品の業界で特に重要視される物質です。春からは大学院への進学が決まっており、将来は医薬品分野における分析のスペシャリストを目指しています。
現在行っている「雲滴形成に関する研究」は、都市域におけるゲリラ豪雨や集中豪雨など自然災害の原因解明や、中国大陸からの微小粒子が雨水として定着する越境大気汚染などの環境問題を解明するため、非常に重要です。今年開催された大気環境学会で発表を行い、研究者達と議論する中で、より広い視野を持って研究したいという意欲が湧きました。将来は博士課程への進学も視野に、環境計測に携わる仕事に就きたいと考えています。
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