現在、さまざまな分野で「働き方改革」が進められていますが、医療秘書のあり方についても変革の時を迎えていると感じています。その中でも特に、医療現場におけるタスクシフト・タスクシェアの役割を果たせる医療秘書の可能性と、その教育・育成に関心を寄せており、研究の主題として「医療秘書や医師事務作業補助者の働き方と、その機能」そして「eラーニング」の二つを掲げています。eラーニングにおいては、授業を個人に適した形で進めるLMS(learning management system)の利用やアクティブラーニングなどに長年取り組んでいます。医療現場で長く仕事を続けるためには、継続した学習・教育の提供は不可欠なものです。社会人学習者をはじめ、本学科の卒業生の学習環境の整備についても努めていきたいと考えています。
医療秘書に求める能力は現場によりさまざま。後進育成とともに現場への提案も視野に研究に取り組んでいます
田中教授の担当授業は、1年次より「医療秘書」としての基盤を育む必修科目が多くを占めます。理論を学ぶ「医療秘書学概論」をはじめ、ロールプレイングなどの方式を用いて実技面の補強を行う「医療秘書機能演習」など、理論と実践の反復で確実な理解を促す構成となっています。授業にあたり教授が大切にしていることは、学生一人ひとりの進捗と理解度の把握。理解度確認の小テストの実施をはじめ、eラーニングのシステムを活用した質疑応答やチャットなど、学生にとって“質問しやすく、結果がすぐにわかる”環境づくりに努めています。
授業ではコンソールを通して学生の状況を全体把握しながらも、実際に会話をするなどアナログの関わりも重視
あらゆる業界でICTの利用は進み、働く人のあり方も変わってきています。しかし、人間のやるべき仕事も多くあります。本学科では今後の変化に対応できる人を育てます。私達と一緒に仕事の現場を変えていきましょう。
「旧来の秘書・医療秘書のイメージを変える、鋭い視点と柔らかな姿勢を併せ持つ人材を育成したい」と語る
専門分野/医療秘書学、教育工学
略歴/岡山大学を卒業後、学校法人川崎学園へ入職。川崎医科大学 中央教員秘書室等で勤務の後、川崎医療短期大学 医療秘書科(現:川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部医療秘書学科)にて助手を務める。改組に伴い、川崎医療福祉大学へ異動した。2022年より現職。日本医療秘書実務学会(会長:2014年より)などの活動にも精力的に取り組む。博士(医療情報学)、修士(英語学)。
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