体を使わずに返事をする方法って? |
自分の名前を呼ばれたとき、どうやって返事をしますか。 「はい」と答えたり、手をあげたり、立ち上がったり。さまざまな動作がありますが、なんと全く体を動かさずに返事をする方法が、実験で明らかになっています。 ひたすらゲームに集中している被験者に、スピーカーでいろいろな人の名前を聞かせます。その中には被験者の名前も含まれていますが、呼ばれても反応せず、ゲームを続けてもらいます。しかし、脳波を調べると、自分の名前を呼ばれたときに、明らかな反応が表れています。つまり、見た目には全く無反応であっても、脳は返事をしているのです。 |
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脳波は心をつなぐ? |
全く体を動かせない状況でも、自分の名前には、脳が敏感に反応する。このことを、医療に活かせないかと、研究者と医師の間で共同研究が行われています。 例えば、病気で全身の筋肉が全く使えなくなってしまった患者さんがいます。手足だけでなく、顔の筋肉も動かせないので、話すことも、まばたきすらもできません。意識はあり、耳も聞こえるので、呼ばれていることは認識できるのに、それに答える動作が何もできないのです。現代医学では、この状態の患者さんに意識があるのかないのかを判断する方法は、まだ見つかっていません。 でも、脳が名前に反応することを応用できれば、脳波を調べることで、呼びかけが届いているかが分かります。脳波が患者さんと家族の心をつなぐ「希望」となる可能性を秘めているのです。 |
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脳波は嘘をつけない! |
名前を呼ぶ実験では、淡々と呼びかける場合、愛情を込めて呼びかける場合、怒って呼びかける場合のうち、脳波の反応が最も大きいのは、意外にも愛情を込めたとき。人は憎しみより、愛情に心動かされるものなのでしょう。 感情と脳波の関係については、まだ実験段階ですが、名前を呼んだ人のことを好きか嫌いか、脳波が教えてくれる、そんな日がくるかもしれません。 |
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