私が扱っているのは「国際法」の中でも「国際人道法」といわれる、戦争の手段や犠牲者の保護などを扱った法律です。近年でいうと、ユーゴスラビア、ルワンダ、シエラレオネ、レバノンなどでの紛争について、同法を用いた裁判が行われました。
「国際法」は、かつて世界の覇権を握っていた欧米諸国の価値観に基づきルール化され、世界共通の規範として受け入れられてきました。しかし、世界の情勢が変化する中、欧米とは異なる歴史や文化を持つ国々にとって受け入れがたい部分が顕著になってきています。また、国際法を用いて紛争を解決し、白黒をつけることで、かえって社会に新たな紛争の種を生み出すこともあります。多様化が進む国際社会の中で、平和の実現に向けて「法」はどのような役割を担うことができるのかを思索しています。
異なった宗教や歴史観を持つ国々をまとめる国際法。言語や歴史、宗教など、たくさんの知識が求められます
英語を学ぶ上で、試験の点数を上げることも重要ですが、大切なのは「英語をどのように使うか」です。ゼミでは、発表の機会を多く持つことで、「テキストを正確に読み」「要点をまとめ」「伝える」といった、基礎的なトレーニングを行います。夏休みには、他大学との合同ゼミ合宿を行い、対話やマネジメントの力を養います。
2019年度から始まった「外交官養成セミナー」では、英語や国際法などの試験対策だけでなく、現役外交官や専門家の特別講義などを実施。試験対策に留まらない国際的な学びを実現しています。
「外交官養成セミナー」では、合格後、外交官としての活躍までを見据えたカリキュラムを準備しています
私が平和研究を行う上で大切にしているのは「気付き」です。法の上で善と悪に分けることができても、ひとつ視点を変えれば違った風景がみえてきます。多様な視点を持つことが、学びへの第一歩です。
留学経験が海外に興味を抱く契機に。帰国後に受講した国際機構論をきっかけに現在の研究にのめり込みました
学歴:国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。国際基督教大学大学院行政学研究科博士前期課程修了。ロータリー世界平和奨学生として、英国ブラッドフォード大学大学院に留学。国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程博士候補資格取得退学。職歴:国際基督教大学21世紀COEプログラムリサーチ・アシスタント、国際基督教大学社会科学研究所助手、日本学術振興会特別研究員(DC2)、聖学院大学政治経済学部助教など
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