低炭素社会の実現に向けて大きな貢献ができると目されている「材料・構造力学」。それが私の専門分野です。軽量で壊れにくい構造を設計するための技術を探究しており、特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の構造研究に注力しています。CFRPは強化材である炭素繊維(カーボンファイバー)を埋めこんだプラスチックで、金属よりも軽量でありながらとても強い材料。自動車や航空機などの主構造に用いることで超軽量化を実現でき、燃費を大幅に向上できるほか、多様な産業分野で注目されています。しかしまだ弱点もあるため、それを改善するための基礎技術を研究しています。また、CFRPの3Dプリンティングも研究しており、将来的には自動車や建設機械などを、3Dプリントによってつくるための技術を開発していきたいと考えています。
様々な機器を使って実験。多様な産業分野で注目されているCFRPの可能性を、日々探究しています
卒業研究では学生が自らつくった試験用CFRPを使って破壊試験を実施。損傷や強度の予測などを行っています。3DプリンタやNC加工機、レーザー加工機、電子顕微鏡などの装置を自由に使用でき、自ら考え、手を動かしながら、CFRPに対する理解を深められる環境です。また他大学や研究機関、企業と連携した研究も多く、多様なメンバーとディスカッションをしながら研究を進める能力も高められます。「卒業研究では課題に対してどうアプローチし、どう解決していくのかというプロセスの中で、自分自身で考える力を養ってほしいと思っています」
上田先生自身が多数の論文賞を受賞しているほか、研究室の学生も学会で多くの賞を受賞しています
これまで誰も知らなかったことを明らかにする「ワクワクできる科目」、それが卒業研究です。研究結果を論文にして、世界に発信しましょう!
「材料の多機能化、ミクロ構造最適化により、材料力学の分野はこれからさらに面白くなります!」
専門:材料力学・複合材料工学
略歴:2001年、日本大学理工学部機械工学科卒業。2003年、同大学院理工学研究科機械工学専攻博士前期課程修了。2006年、東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻博士後期課程修了。2014年、米国コロンビア大学土木工学・工学力学科客員研究員。 2016年より日本大学理工学部機械工学科准教授に就任。
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