研究のテーマはふたつあります。ひとつは、幼児期、児童期の造形遊びに注目して、保育園や小学校などで実践研究を重ねています。この研究は、感触をたのしむ粘土遊びをはじめ、色や形を発見する遊びの中で、子どもたちが何を感じ何に興味を示しているのかを考察します。そこから造形遊びに適した素材、題材の開発を研究しています。もうひとつのテーマは陶芸です。やきものによる芸術表現を追究しています。陶器、磁器、土鍋などの食器制作とロボットや恐竜のオブジェ制作など多種多様に展開しています。私の制作は、生活の役に立つものとしての器、直接何かの役に立つものとはいえないオブジェの間を行ったり来たりしています。役に立つ、立たないとはどういうことか。そこに芸術の意味があると考え、土に向かいつくり続けています。
恐竜とロボットを融合させた陶のオブジェ「ROBO-SAURUS」
幼児の造形や表現に関する科目を担当しています。授業では、出来上がった結果ではなく「描く」「つくる」過程をどれだけ理解できるかを重視します。例えば粘土遊びでは、粘土の感触を感じることから始め、積み上げてグループで競い合ったりします。そうして子どもがどんな気持ちで粘土と出会い感じているのか体験します。シャボン玉やスライムなども身近な材料を揃えて一からつくって遊びます。ただ作品をつくるのではなく、どんな道具で、どんな場面で、だれとつくるのか、その過程をみんなで考えていく授業をします。
懐中電灯に色テープを巻いて描いた光のアート(ゼミ活動)
もしあなたが自分を表現することが好きなら、あなたは子どもの気持ちがとてもよくわかる人かも!「保育士・幼稚園の先生になりたい」という方はもちろん、子どもの世界を一緒に共有できる人にもオススメの学部です。
愛知教育大学総合造形コース卒業、同大学院芸術教育(立体造形領域)修了。三重県・伊賀土楽にて土鍋職人として働いた後、陶芸家として独立。さまざまな大学で非常勤講師を務め、名古屋経営短期大学 准教授を経て、現、日本福祉大学 教育・心理学部教授。2006年 第20回四日市万古焼綜合コンペ 優秀賞受賞(銀のtsu-tsu)他、受賞歴、書籍出版業績多数。陶芸の個展を毎年開催している。
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