研究テーマは「移民と宗教」「社会的包摂と排除」「開発援助/支援における相互作用」などです。フィリピンという国家・社会・人の理解を深め、そこから私たちへの示唆を学ぼうとしています。研究を通して、社会の中で当たり前だと思われてきたことが必ずしもそうでないこと、越えられないとされてきた分断を乗り越えて生きている人たちがいることを提示し、勝手な解釈をせず困難な状況にある人たちの声を聴くことで自他の課題解決の一助を共に探ることを試みています。開発援助/支援についても同様で、国家間の関係に影響される支援=被支援のあり方も問い直しをしています。色々な人に出会い、お話を伺うなかで毎回目から鱗が落ちる経験をしますが、それが調査に協力してくれる人を勇気づけることもある…。これが研究を続ける原動力となっています。
学生とともにフィリピンに赴き、現地の生活を体験したり、多様な立場の人々から話を聞いたりしています
「専門ゼミナール(3・4年生)」では、文化人類学、開発学、社会学を学ぶために、ゼミ生が選んだ文献の輪読、ディスカッション、国内外のフィールドワークの3つを学びの柱としています。「フィリピン研修を夏休み中に実施したり、学外イベントに出展したり、毎週ボランティアに参加したりと、現場での学びや人との関わりを重視しています。ゼミの主役は学生、教員は伴走者という方針で、ゼミを進めています。4年生は、これまでの調査研究を基に、各自の卒業論文を執筆します。企画を立案・実行してそれを卒業研究とした学生もいます」。
渡邉ゼミの海外フィールドワークでは、現地の人々との交流も積極的に行われます
大学では、文献や人との対話、実践を通して様々な物の考え方や価値観を学び、自分に何ができるかを考えていきます。仲間と共に物事への理解を深めて視野を広げ、課題解決の一助となるべく一緒に歩んでいきましょう。
専門:東南アジア地域研究、文化人類学、移動研究
筑波大学比較文化学類卒業、京都大学大学院東南アジア地域研究研究科単位取得退学、博士(地域研究)、フィリピン大学第三世界研究客員研究員(2002年~2003年、2005年~2007年)。現在、文教大学国際学部国際理解学科准教授を務める。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。