本校では1200時間以上の実習を設け、車のさまざまなパーツを分解して元の状態に組み立てます。あらゆるメーカーの車を、しかも、そこまでするのかというところまで徹底的にやります。それはなぜか。自動車整備は経験がモノを言う世界だからです。私自身、自動車整備士として長年働いてきました。車の不調を直してお客さまに喜んでいただくのはこの仕事の醍醐味ですが、不具合の原因をつきとめて完璧に直すには、結局、経験次第なのです。教科書の知識も大切ですが、作業をどれだけ多く経験したかが腕に関わってきます。たまにエンジンがかからず焦る学生がいますが構いません。今のうちにたくさん失敗し、次に生かせばいいのです。本校卒業生の技能の高さは、あらゆる職場で認められていると思います。
分解することによって構造や機能を確実に把握することができます。この経験が将来生きてきます。
エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング装置、ディファレンシャルギアなど、車の主要構成部品を分解し、組み立てる。エンジンを例にとると、エンジン1台につき4~5名のグループを編成。協力しながら、4日から5日で再びエンジンがかかる状態に戻す。そして、3気筒エンジン、6気筒エンジン、ディーゼルエンジン、ロータリーエンジンと、より複雑なものにチャレンジしていく。気を抜くと怪我につながりかねないので学生は皆真剣な表情だが、苦労の末にエンジンがかかると顔もほころび、歓声が上がることも多い。
しっかり理解できているか? 学生の表情の見ながら、丁寧に説明する大西先生。
車も好きだけど、原付など二輪車も好きという人が意外と多いですね。本校は二輪車や外国車も実習で扱い、バイク系の会社や外車ディーラーからの求人も多数あります。幅広い就職先から選べるのが特徴です。
この道約40年のベテラン。旧車から現行車まで、車の隅々に精通している。
専門:自動車整備 テクニカルアドバイザー
略歴:愛知県の自動車整備専門学校を卒業後、自動車整備士としてトヨタビスタ南海(株)に入社。その後、トヨタカローラ南海(株)に転籍。2013年より同社からの出向で阪和鳳自動車工業専門学校の教員に。長年にわたる整備現場での経験をもとに、主に実習を担当する。
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